方程式をより深く理解していく~二元一次方程式とは?~

中学数学

1年生の時に「方程式」の学習をしましたが、2年生でも方程式の学習は続いていきます。

2年生で学習する方程式では、早速「二元一次方程式」という正直意味が分かりにくいものから学習が始まり、つまずきやすい単元であります。

実際に筆者も学生の頃に「二元一次方程式」という言葉を聞いたときは、よくわからない言葉が出てきたなぁと感じたことを鮮明に覚えています。

このよくわからない言葉ですが、意味が分かるとそんなに難しいことを言っていないと理解できたり、1年生のときに学習したある単元と結びつけて考えることができるようになります。

このページでは、「二元一次方程式」についての必要性やその解の意味について解説していきます。

 

二元一次方程式とは?

まず「二元一次方程式」とはどういったものかを解説するところから始めていきます。

1年生の時に勉強した方程式は文字(変数)が1つだけの「一次方程式」でした。

方程式では、方程式を解いて文字に当てはまる数を求めることが目的の計算でした。

たとえば、下記のようなものを勉強していきました。

$3x+2=8$

という方程式では、$x$にどんな数を入れたら等式が成り立つかを考えます。

では、もし「100円のりんごと50円のみかんの合計金額が500円」というように、2つの品物が登場したらどうでしょう?

このとき、りんごを$x$、みかんを$y$とすると、

$100x+50y=500$

のように表すことができます。

これが「二元一次方程式」です。

つまり、二元一次方程式は、「2つの変数(文字)」を使って、いろいろな関係を表す式です。

現実の問題では、「数が1つだけ決まればよい」というよりも、「複数のものが関係して決まる」という場面の方が多いので、このような表現が必要になります。

数学では、現実の問題をわかりやすく整理して考えるために、こうした式を使うのです。

 

二元一次方程式はどんな式?

二元一次方程式についてイメージできたところで、早速二元一次方程式がどのような式なのかを見ていきたいと思います。

二元一次方程式とは、次のような形の式です。

$ax+by=c$

ここで、

$a$, $b$, $c$ は任意の数で、$x$, $y$ は変数です。

たとえば、

$2x+3y=6$
$-x+4y=10$
$5x-y=0$

などは、すべて二元一次方程式です。

この式の「一次」というのは、$x$や$y$の項が「1次式」(つまり、$x^1$や$y^1$までしか出てこない)であることを意味します。

「二元」というのは、変数が2つあるという意味です。

一次方程式では、たった1つの文字の値を求めましたが、二元一次方程式では2つの文字の間の関係を見ていきます。

 

二元一次方程式の「解」って何?

一次方程式では、ある1つの文字に入れるべき数字(=解)を見つけるのが目的でした。

では、二元一次方程式の「解」とは何でしょうか?

たとえば、次の式を見てみましょう。

$x+y=5$

この式を満たす$x$と$y$の組はたくさんあります。

$x=2, y=3$
$x=1, y=4$
$x=0, y=5$
$x=-1, y=6$ など

つまり、解は1つではなく、無限にあるということです。

このように、「$x+y=5$ を成り立たせる2つの数の組」がすべて解になります。

数学ではこれを「解の組」と呼び、ふつうは $(x, y)$ の形で書きます。

上の例だと、

$(x, y)=(2, 3) (1, 4) (0, 5) (-1, 6)$

などが解の組として表すことでできます。

グラフで考えると、これらの解はすべて1本の直線の上に並びます。

このことから、二元一次方程式の解は、直線を表すことがわかります。

方程式の解が直線を表すというと意味が分かりにくいですが、二元一次方程式を$y$について解くと式は一次関数の形になります。

一次関数のグラフは直線であったので、二元一次方程式の解は直線になるということです。

 

二元一次方程式で何ができるか?

では、こうした式を使ってどんなことができるのでしょうか。

具体的な活用例を紹介します。

例1:買い物の合計金額を考える

1つ目の例は買い物の合計金額の考えるときが挙げられます。

りんごを1個100円、みかんを1個50円とし、合計で500円分買いたいとします。

このとき、りんごの数を$x$、みかんの数を$y$とすると、

$100x+50y=500$

これが二元一次方程式です。

たとえば、

$x=3, y=4$ → $100×3+50×4=500$ → OK
$x=5, y=0$ → $100×5+50×0=500$ → OK

このように、条件を満たす数の組を探すのに使えます。

例2:速さの関係を考える

2つ目の例は、時間や速さを考えるときが挙げられます。

ある人が2つの乗り物を使って移動するとき、移動時間と距離の関係も二元一次方程式で表せます。

たとえば、「ある距離を自転車と徒歩で移動したが、合計で1時間かかった」などの条件があれば、それぞれの速さや時間を文字で表して式にできます。

このように、複雑な条件のもとでの関係を整理するのに使えるのが二元一次方程式です。

 

まとめ

このページでは二元一次方程式がどういう式なのか、解の組とはどういうものかを解説していきました。

二元一次方程式は、2つの数が関係している場面を表すための重要な式です。

最初は「文字が2つも出てきて、わかりにくいな」と感じるかもしれませんが、学んでいくうちに「現実の問題を整理するのに便利だな」「いろんな条件をうまく表せるな」と気づくはずです。

「式で関係を表す力」「解の意味を考える力」は、これから先の数学だけでなく、科学や社会の問題にもつながっていきます。

目に見えない関係を、式やグラフで表し、筋道を立てて考える力を、今のうちにしっかり身につけていきましょう。

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