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身の回りのデータを読み解こう!〜相対度数と累積相対度数〜

中学数学

前回のページで度数分布表と度数分布表における代表的な値について解説してきましたが、度数分布表ではより深い情報を考えることができる万能な表になっています。

例えば、友だちとテストの点数を比べたり、スポーツの成績をまとめたりしたことはありますか?

そんなときに便利なのが、度数分布表の「相対度数」「累積相対度数」などの値です。

これらの考え方を使うと、たくさんのデータをスッキリまとめて、いろいろな特徴を見つけることができます。

このコラムでは、「相対度数」や「累積相対度数」についてわかりやすく解説し、さらに統計的な確率との関係についても紹介します。

まだ前回のページの内容が理解できていないという人は、前回のページを学習してからこのページの内容を勉強していきましょう。

度数分布表と基本的な代表値~平均値・中央値・最頻値~
データの活用では、度数分布表を用いてデータを整理し、平均値・中央値・最頻値という代表値を求めることで、データの特徴や傾向を的確に把握する力を養います。

 

相対度数とは何か

まずは「相対度数」から説明します。

たとえば、あるクラスで英語のテストを行い、得点ごとの人数をまとめた表(度数分布表)を作ったとします。

点数の範囲 人数(度数)
0〜19点 2人
20〜39点 4人
40〜59点 6人
60〜79点 5人
80〜100点 3人

この表だけでも、どの点数の範囲にどれだけの人がいるかがわかりますが、「全体の中でどれくらいの割合か」を知りたいときに使えるのが「相対度数」です。

相対度数は、「各階級の人数(度数)を全体の人数で割った値」です。

上の例では、全体の人数は20人です。

たとえば「0〜19点」の相対度数は、

$2÷20=0.1$(10%)

「80〜100点」の相対度数は、

$3÷20=0.15$(15%)

となります。

相対度数を使うことで、どの点数帯の人が多いのか、全体の中でどのくらいの割合なのかを比較しやすくなります。

円グラフや棒グラフにすることで、視覚的にもわかりやすく表現できます。

 

累積相対度数とは何か

次に、「累積相対度数」について見ていきましょう。

「累積」とは「たくわえる」「積み重ねる」という意味があります。

累積相対度数は、下から順に相対度数を足していったものです。

さきほどのテストの例を使って、相対度数を計算し、それを累積していきます。

点数の範囲 人数(度数) 相対度数 累積相対度数
0〜19点 2人 0.10 0.10
20〜39点 4人 0.20 0.30
40〜59点 6人 0.30 0.60
60〜79点 5人 0.25 0.85
80〜100点 3人 0.15 1.00

このように、累積相対度数の最後の値は必ず1.00(100%)になります。

累積相対度数を使うと、「60点未満の人は全体の何%か」や「80点以上の人は何%か」など、ある範囲以下または以上の割合を調べるのに役立ちます。

 

相対度数と統計的確率の関係

ここまでは度数分布表から見えてくる相対度数や累積相対度数について解説してきました。

ここからは、少し違った視点からこれらの数値について考えていきます。

いきなりですが、「確率」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか?

サイコロやカードなどのゲームや遊びを思い浮かべたり、打率やボール支配率などのスポーツに関連したものを考えるかもしれませんね。

たとえばサイコロを投げたとき、1の目が出る確率は6分の1、つまり約0.167(16.7%)です。

では、「実際に何度もサイコロを投げて、出た目の割合」はどうでしょうか?

たとえば100回サイコロを投げて、1の目が15回出たとすると、1の相対度数は$15÷100=0.15$(15%)になります。

このように、たくさん試して得られた結果の「相対度数」は、「確率」に近づいていきます。

これを「統計的確率」といいます。

統計的確率とは、「実際に実験や観察をして得られた割合」のことです。

理論上の確率(たとえばサイコロの1の目は6分の1)と完全に一致するわけではありませんが、試行回数が多いほど近づく傾向があります。

相対度数を使うことで、「どのくらいの確率でその結果が起こるか」という予測に役立つのです。

たとえば、「今までにこのクラスでは80点以上を取った人が15%だから、次のテストでそのくらいの割合になるかもしれない」といった考え方ができます。

 

グラフで見るともっとわかりやすい!

ここまで学習してきたことは表にしてみていきましたが、表に示すよりもこのページで学習した値はグラフにすることで視覚的な理解が早まり、より分かりやすくなります。

たとえば、相対度数は「棒グラフ」や「円グラフ」で表すことが多く、割合の違いが見やすくなります。

また、累積相対度数は「折れ線グラフ」で表すことで、得点の増加とともにどのくらいの人が含まれているかが一目でわかります。

グラフを使うことで、視覚的に情報を理解しやすくなり、テストの傾向やクラス全体の様子を分析することができます。自分でグラフを描いてみることで、データを読み取る力も高まります。

 

まとめ

このコラムでは、「相対度数」と「累積相対度数」、そしてそれらと「統計的確率」の関係について学びました

相対度数は「全体の中での割合」を示し、累積相対度数は「積み重ねた割合」を示します。

さらに、実際のデータをもとにした相対度数は、確率を考える手がかりにもなります。

データを整理し、わかりやすくまとめる力は、学校の勉強だけでなく、将来の生活や仕事でもとても大切です。

ぜひ、自分の身の回りのことにも統計の考え方を使ってみてくださいね!

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