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■始点と終点のない、どこまでも続く線を「直線」という。
■始点もしくは終点のどちらかがある線を「半直線」という。
■始点と終点の両方がある線を「線分」という。
■2つ以上の線が、どこまでも交わらないときの位置関係を「平行」という。
■2つ以上の線の交点で90°のときの位置関係を「垂直」という。
中学の数学では、図形の分野でも新しく身につけていかなければならないことが非常に多いです。
そして、その第一歩として、数学記号を使って図形の位置関係なども表現することが増えていくため、覚えなければいけないことも多い分野になっています。
このページでは、中学数学の図形の基本を解説していきます。
直線・半直線・線分
まず始めに、中学数学から「線」を3種類の線に分けて考えていきます。
それが、「直線」「半直線」「線分」の3つになります。
それぞれの定義は下記の通りです。
直線
直線:始点と終点のない、どこまでも続く線のこと
上記の図では、点Aと点Bを通過して、どこまでも続いています。
(図中の波線は「省略記号」です。)
半直線
半直線:始点もしくは終点のどちらか一方がある線のこと
上記の図では、点Aを始点として、点Bを通過してどこまでも線が続いています。
線分
線分:始点と終点の両方がある、有限の区間で続く線のこと
上記の図では、点Aと点Bの区間で続いている線になっています。
線に種類を設定する理由
3種類の線の定義を説明していきましたが、中学数学では線をなぜ3種類に分けて学習するのでしょうか?
数学では、そもそもこの3種類が違う図形として定義されるからと理由もありますが、中学生の学習においてこの理由はあまり納得がしにくいものだと思われます。
そのため、中学生でも納得しやすい理由を述べるなら、3種類に分けて考えることで、図形の位置関係や平面図形、空間図形の学習をしていく際に、とても都合がいいからです。
特に、線の種類については、中学1年生で学習しますが、同じく図形の位置関係も1年生で学習していきます。
その際に、線分だと垂直に交わらないけど、直線だと垂直に交わるなど、どの線を表して問題になっているのかで解答も変わってきます。
そのため、線を3種類に分けて学習をしていきます。
線の重要度
3種類の線に分けて学習をする理由は解説しましたが、どれも同じくらいの重要度かと言われるとそうではありません。
重要度に順位をつけるなら、最も重要なのは「線分」です。その次に「直線」。最後に「半直線」です。
線分が最も重要な理由は、これから平面図形や空間図形を学習していく際に問題になるのは「線分」で囲まれた図形だからです。
対して半直線があまり重要でない理由は、ここで半直線について学習はしますが、今後の学習においてあまり半直線として問題に出てきたりすることはないからです。
なので、半直線がどういった線なのかを理解しておく、覚えておく程度でも十分です。
平行・垂直
続いては、図形の位置関係の基本の「平行」と「垂直」についてです。
この2つは既に算数でも学習してきている部分ではあるので、復習も兼ねて知識の確認を行っていきましょう。
平行
まずは「平行」についてです。
平行:2つ以上の線が、どこまでも交わらないときの位置関係のこと
上記の図では、直線$l$と直線$m$は平行の位置関係になります。
垂直
続いて垂直になります。
垂直:2つ以上の線の交点で90°のときの位置関係のこと
上記の図では、直線$l$と直線$m$は垂直に交わっています。
平行と垂直の記号
平行と垂直については、数学記号があり、これから図形の問題ではこの記号を使って問題文や解答を表していくことが増えていきます。
なので、どういった記号を使うかをしっかりと押さえていきましょう。
平行の記号
まず平行の記号からです。
上記の図のようなとき、直線$l$と直線$m$は平行なので、平行の記号を使って表すと
$l /\!/ m$
垂直の記号
続いて垂直の記号からです。
上記の図のようなとき、直線$l$と直線$m$は垂直なので、垂直の記号を使って表すと
$l \perp m$
まとめ
今回は図形の基本として線の種類及び、図形の位置関係の基本の平行と垂直について学習をしていきました。
図形について基本の部分なのでこのページで学習した内容について、しっかりと理解しておけば今後の図形の学習で苦労することなく勉強を進めていけるでしょう。
復習も多い内容ではありますが、油断せずに確実な知識を身につけていきましょう。
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