高校生になると理科という科目は各専門分野に分かれて、理系の学生さんは化学を選択する人が多くなると思います。
理工系の学部でも、医療生物系の学部でも化学を第二科目として化学を選択する人が多いため、必然的に理系でも特に学習する人が多い科目になります。
それぐらい化学の学習を行う人が多いにもかかわらず、化学に苦手意識がある学生さんがいるのも事実です。
高校化学は、molなどの抽象概念が多く出てきたり、有効数字を厳密に意識した計算や解答をしなければならないため、中学の理科をしっかりと理解していても、知識のつながりを感じにくいために、苦手意識が生まれてしまいます。
このページでは、そういった化学が苦手と感じている学生さんに向けて、苦手と感じている理由の深堀や苦手を克服していく学習方法など、解説していきます。
- 高校化学で「できない」と感じるのはあなただけじゃない
- なぜ化学が苦手と感じるのか?|最初のつまずきには理由がある
- 苦手な化学をどう克服する?|本質的な解決策を考える
- mol計算ができない理由と、できるようになるためのステップ
- 実験と理論のギャップを埋めるには?|教科書の使い方を変える
- 問題演習の進め方|「解いて終わり」にしない思考の工夫
- 化学が苦手を克服するためのマインドセット
- 自分に合った学習ツールを活用しよう|デジタルとアナログを使い分ける
- 家庭学習で「化学苦手」を克服するには?|学習環境の整備と取り組み方
- 家庭でできるサポート|家庭での学びを後押しする関わり方
- 長期的な学習計画を立てよう|目標達成までのロードマップ
- 理系進学を考えるなら、化学から逃げないほうがいい理由
- まとめ
高校化学で「できない」と感じるのはあなただけじゃない
本題に入る前に、改めてですが、中学時代に理科が得意だった学生でも、高校に入ったとたんに化学の内容についていけず、苦手意識を持つケースはとても多いです。
特に「mol」や「化学反応式」といった新しい概念は、初学者にとって非常に理解しにくく、「化学ができない」「化学が苦手」と感じてしまう原因になりがちです。
なぜ化学が苦手と感じるのか?|最初のつまずきには理由がある
では、まず化学を苦手に感じる理由から見ていきます。
「化学が苦手」「化学が全然できない」と感じている高校生には、いくつか共通するつまずきのパターンがあります。
その代表的な理由を知ることで、自分がどこでつまずいているのかを明確にし、そこから解決の糸口を探していくことが大切です。
1.抽象的な概念が多すぎる
化学では、「電子が動く」「分子ができる」といった、目に見えないミクロな世界を扱います。
これまでの理科では目に見える現象を中心に学習してきたため、急に見えない世界の話をされると実感が持てず、イメージが追いつかないのです。
たとえば、「水素原子に電子が1個あって…」という説明を聞いても、「その電子ってどこにあるの?」という疑問が湧きます。
こうした感覚のズレが、化学=難解な科目というイメージを生む一因です。
2.molという単位の意味が理解できない
高校化学で初めて登場する「mol」は、多くの学生さんが混乱する単位です。
molは、物質の粒子の数や質量、体積を一括して表す便利な単位ですが、その概念は日常生活にないため、非常に抽象的です。
さらに、「1mol=6.0×10²³個」など、桁の大きい数値が出てくるため、計算と概念の両面で混乱する原因になります。
こうした化学では頻繁に登場する単位であるmolが理解できない=計算問題が解けない=化学ができないという負の連鎖を生みがちです。
3.暗記と計算が両立しない
また、化学は「暗記」と「計算」の両方を求められる科目です。
無機化学や有機化学では元素の性質や反応式を覚える暗記要素が多く、理論化学では質量保存や濃度計算といった計算問題が出てきます。
つまり、「覚えることも多いし、計算も苦手だし…」という状態になりやすく、どちらか一方が苦手な場合でも総合的に“化学できない”という印象を持ってしまいやすいのです。
4.実験と理論のつながりが見えない
3で紹介した理由に繋がる理由として、実験と理論のつながりが見えにくいという点も挙げられます。
化学では教科書に多くの実験が紹介されていますが、実際に自宅で再現することは困難です。
そのため、「マグネシウムを燃やすと酸化マグネシウムになる」などの記述があっても、実際の現象をイメージするのが難しく、頭の中だけで完結させなければならないことが多いのです。
この実験と理論の断絶が、化学を理解しにくくするもう1つの壁になっています。
5.教科書や授業の説明が難しく感じる
更に、これだけ難しくなる化学の内容にもかかわらず、教科書や先生の説明がより難しいというのも、よくある悩みです。
化学では専門用語が多く、一度言葉を理解できなくなると、以後の内容がすべてわからなくなるという悪循環が起こります。
例えば「酸化数」「価電子」「電気陰性度」などの言葉は、意味がピンとこないまま使われると内容が頭に入ってきません。
「わからない言葉が増える→内容が理解できない→苦手意識が増す」という悪循環に陥る前に、「苦手の正体を明確にする」ことが最優先なのです。
苦手な化学をどう克服する?|本質的な解決策を考える
上記で説明した理由により、化学が「難しい」と感じるのは当然のことです。
しかし、それを「自分の能力が低いせいだ」と思い込んでしまうのは大きな誤解です。
化学ができるようになるには、段階的なステップと、正しい理解の積み重ねが必要です。
ここでは、苦手意識を解消するための基本的な考え方や学習スタイルについて、段階を追って解説します。
ステップ1:基礎概念をしっかり固める
まず最初に必要なのは、「基礎概念を理解すること」です。
具体的には、下記のような項目を押さえる必要があります。
- 原子と分子の違い
- 周期表の並びと意味
- 化学結合の種類(イオン結合・共有結合・金属結合)
- 酸と塩基の性質
- 酸化と還元の概念
これらを、「暗記する」のではなく、「どうしてそうなるのか」という理由とともに理解していくことが、苦手を克服するための最初の一歩になります。
ステップ2:教科書を“読む”ではなく“使う”
化学が苦手な多くの学生さんは教科書を「読むだけ」に終始しています。
しかし、それでは知識が定着しません。
教科書は道具として使い倒すものと捉えましょう。
- 図や表をノートに書き写す
- 重要語句は自分の言葉で言い換える
- 章末の確認問題を繰り返す
このように「読む→書く→話す→解く」のサイクルを取り入れることで、記憶の定着と理解の深まりが生まれます。
ステップ3:基本問題を何度も解く
また、化学が苦手な人がいきなり難しい問題に挑戦するのは逆効果です。
まずは教科書や問題集の「基本問題」からスタートし、それを何度も繰り返すことが重要です。
同じ問題を解いていても、2回目・3回目で「なぜこのように解くのか?」という思考が深まるようになります。
この積み重ねが、やがて応用力へと変化していきます。
mol計算ができない理由と、できるようになるためのステップ
ここまでの説明で、化学が苦手な理由と、克服するための学習ステップを紹介してきました。
これらの内容を自分の中に落とし込めれば、克服への歩みは進んでいますが、高校化学の苦手を克服するためにはどうしても「mol計算」の克服も重要になってきます。
なので、ここでは、mol計算の克服するための学習ステップを紹介していきます。
molが理解できない=化学が苦手…その構図を壊そう
まず、molが理解できない背景を見ていきます。
化学が苦手な理由として特に多いのが「molがわからないから」というものです。
molは化学の共通語であり、どんな分野にも登場します。
そのため、ここを克服することで化学全体の見通しがグッとよくなります。
ですが、「1mol=6.0×10²³個」という表現を見ただけで挫折してしまう学生さんも多いのが事実です。
ではどうやって、この見えない量を理解できるようになるのでしょうか?
molの正しいイメージのつかみ方
まず、molは「ものの数」を数える単位だということをしっかり頭に入れましょう。
1ダース(12個)、1グロス(144個)のように、「1molは6.0×10²³個」なのです。
これは粒子の数が非常に多すぎるために特別な単位が必要になるだけです。
さらに以下の3つの関係性を、しっかり覚えておきましょう。
- mol ⇔ 質量(g)…モル質量で変換
- mol ⇔ 個数…アボガドロ定数で変換
- mol ⇔ 体積(L)…気体なら22.4Lで変換(標準状態)
この3つの関係は非常に重要なので、必ず覚えるようにしてください。
molの学習ステップ
では、実際の学習ステップを見ていきます。
- 定義を丸暗記ではなく、具体例でイメージ化する(例:水1molとはH₂O分子が6.0×10²³個ある状態)
- mol⇔質量の計算に慣れる(練習問題で「質量をmolに変換」「molから質量を求める」)
- mol⇔個数の変換も定着させる(アボガドロ定数との掛け算・割り算)
- mol⇔体積(気体)への変換も確認(標準状態で22.4Lを基準とした練習)
大切なのは、「単に公式を覚えて当てはめる」のではなく、それぞれの変換の意味を具体例とともに理解することです。
実験と理論のギャップを埋めるには?|教科書の使い方を変える
molの克服法については上記で解説した通りですが、化学が苦手な理由としてよく挙げられる実験と理論のギャップはどう埋めていけばいいのでしょうか?
高校化学は自宅でやるには難しい実験も多いので、この課題を解消するのはそう容易なことではありません。
このギャップの課題の乗り越え方をここからは紹介していきます。
実験が理解につながらない…化学が苦手な学生さんが抱える共通の悩み
化学が苦手と感じる学生さんの多くは、「実験内容が頭に入ってこない」「実験が何を示しているのかわからない」と悩んでいます。
高校では実験を行う機会が限られており、多くの場合、教科書の写真や文章だけで理解しなければならないからです。
ですが、この「実験と理論のつながり」を意識することが、化学の苦手意識を払拭する大きなカギになります。
実験を“見て終わり”にしないためのポイント
では、実験を教科書を見て終わりにしないためにはどうすればいいのでしょうか?
このようにならないためには、下記のことを意識して実験の内容と向き合ってみましょう。
1.実験の目的と原理を意識する
「なぜこの実験をするのか」「何を確かめたいのか」を明確にする。
2.観察結果と理論の関係を言葉にする
たとえば「マグネシウムを燃やすと白い粉ができる」だけでなく、「酸素と反応して酸化マグネシウムができた」と説明できるようにする。
3.自分なりの図やメモでまとめ直す
文章だけではなく、絵・反応式・簡単な要点などをノートにまとめる。
また、可能であればYouTubeなどで実験動画を視聴するのも有効です。
百聞は一見に如かずというように、実際に燃焼・沈殿・色の変化などを視覚的に見ることで、理解は飛躍的に進みます。
時間がある週末や夏休みなどに、YouTubeでぜひ検索して実際の実験の映像を見てみてください。
問題演習の進め方|「解いて終わり」にしない思考の工夫
mol計算の克服方法や実験と理論のギャップの埋め方は上記のように学習を行っていくのがおすすめです。
では、それ以外の学習の学習方法は具体的にはどうしていくのがいいでしょうか?
ここでは、問題演習の取り組み方に焦点を当てて解説していきます。
化学ができるようになるには、問題演習の質がすべて
「とにかく問題を解けばそのうち慣れる」と思っている人も多いかもしれません。
しかし、ただ漫然と解いているだけでは理解は深まりません。
化学が苦手な人ほど、「演習のやり方」を工夫する必要があります。
効果的な問題演習の方法とは?
では、演習を行う際はどのような工夫が必要なのでしょうか?
1.ステップを分けて段階的に進める
初級:用語の穴埋めや基本反応式
中級:mol計算や中和反応の計算
上級:実験データをもとに考察する記述問題
上記のようにステップに分けて演習を行っていくのが苦手なうちはおすすめです。
自分の知識レベルに合わせて自由にレベルを調整できるので、確実に知識を積み上げていくことができます。
2.1問ずつ“なぜこの答えになるのか”を確認する
問題を解いたら、なぜこの答えになるのか考えることも重要です。
間違えた問題は当然行いますが、解けた問題でも、「なぜこの反応になるのか」「この選択肢はなぜ間違いか」を言語化する癖をつけるようにしてみましょう。
3.間違えた問題をノートにまとめる
問題演習の際に、間違えた問題があった際は、「自分専用のミスノート」を作っておくと、模試前の復習にも最適です。
4.時間を計って本番形式で解いてみる
ある程度問題演習を行っていったら、本番を意識した形で行うのも効果的です。
問題演習は「理解力」+「処理力」が必要です。
慣れてきたら入試を意識した練習ができるようにしましょう。
解説を“読んだふり”しないことが大切
また、問題演習をしていく際に特に注意したいのが、「解説は一応読んでおくけど、頭に入っていない」状態です。
化学に苦手意識がある場合、解説を読む時間こそが最も価値のある学習時間です。
- 「なぜこの選択肢ではダメなのか?」
- 「どんな知識があれば解けたのか?」
こうした問いかけを自分にしながら読むことで、演習の質が何倍にも上がります。
化学が苦手を克服するためのマインドセット
問題演習の方法は上記のとおりではありますが、いくら問題演習を重ねても苦手意識がなくならないという学生さんもいることでしょう。
ここからはそういった苦手意識との向き合い方について見ていきたいと思います。
苦手なままでも、少しずつ進んでいい
化学ができないと感じている学生さんの多くは、「もう無理だ」「今さらやっても間に合わない」と感じてしまっています。
ですが、完璧主義は苦手科目において最大の敵です。
「今日はmolの定義だけ覚える」
「問題1問だけでも解ければOK」
このように、小さな目標を積み上げていく学習スタイルを取り入れてみてください。
学習の達成感が積み重なることで、「自分でも化学を理解できる」という自己効力感が育ちます。
自分に合った学習ツールを活用しよう|デジタルとアナログを使い分ける
ここまでの説明や解説は、教科書などの紙媒体を中心にした学習の方法がメインとなる解説ですが、上述したように、化学は実験もあるため、紙媒体だけの学習では、人によっては不十分の場合があります。
なので、ここからはデジタル媒体も含めた学習方法をお伝えしていきます。
化学の独学は孤独になりやすい
高校化学は内容も膨大で、自力で理解しようとすると時間も根気も必要になります。
だからこそ、「学習ツールの活用」が重要なカギになります。
学習アプリや動画教材のおすすめ
ここで紹介する学習ツールは自分1人ではカバーしきれない知識の補填や実験のイメージ化をするために役立つデジタル学習ツールです。
もし、自分1人での学習に行き詰ったときは参考に利用を検討してみてください。
- Try IT(トライイット):基礎から丁寧に学べる無料授業動画サイト
- スタディサプリ:映像講義+確認テストで効率的に理解を積み上げ
- YouTubeの高校化学チャンネル:ビジュアルで理解したい人に最適
アナログ教材との併用が効果的
デジタル教材は映像を用いて講師が解説してくれたり、実際に実験を行ってくれるなどのメリットはありますが、紙媒体もしっかりと併用した学習スタイルがより効果的です。
たとえば、
- 教科書に沿った問題集(セミナー化学、リードαなど)
- 自分でまとめるノートやカード類
のようなものを自作することがいいでしょう。
自分の理解スタイルに合わせて、「動画で理解→問題集で演習→ノートで復習」といったサイクルを作ることが効果的です。
家庭学習で「化学苦手」を克服するには?|学習環境の整備と取り組み方
ここまでは、化学が苦手な本人に向けて学習方法や実際の取り組み方を解説した内容でした。
ですが、高校生になると勉強しなければいけない科目も増えるので、スケジュール管理も重要になってきます。
なので、ここからは化学の苦手を克服するための時間の使い方などを紹介していきます。
家庭での時間をうまく使うことが、成績アップの鍵
学校の授業だけでは化学の理解が十分に深まらないと感じる人も多いはずです。
特に苦手意識がある場合は、「授業を聞いても頭に入ってこない」と感じることも少なくありません。
そんなときこそ重要なのが、家庭学習の質と環境です。
ここからは、自宅で効果的に化学を学習するためのポイントを紹介します。
1.集中できる学習空間をつくる
まずは、集中できるスペースの確保です。
学習机にスマートフォンやゲーム機があると集中力が途切れやすくなります。
集中して学習ができるように下記のような工夫をすると良いでしょう。
- スマホは別室に置く、またはアプリで学習モードに制限する
- 時間帯を決めて、毎日同じ時間に勉強する習慣をつける
- 照明や椅子、机の高さなども自分に合った環境に整える
化学に限った話ではありませんが、勉強することに対して苦手意識があると感じている人ほど、物理的な学習環境が整っていないことが多いので、一度自分の学習空間を見直してみましょう。
2. 家庭学習の進め方|具体的ステップ
以下のようなスモールステップで家庭学習を進めると、苦手意識のある化学も取り組みやすくなります。
ステップ1:その日の授業の復習
- ノートを見返し、出てきた用語・反応式を確認
- 教科書の該当ページにマーカーを引きながら読み直す
ステップ2:授業で解いた問題を再度解く
- 同じ問題を自力で再現できるか確認
- 解けなかった問題は解説をノートに写して覚える
ステップ3:関連問題を問題集で演習
- 教科書準拠の問題集(リードα・セミナーなど)で類題を探す
ステップ4:日々の「疑問メモ」を作る
- 授業や演習でわからなかったことはすぐメモし、後日調べる
このように段階的に進めることで、「化学のどこができないのか」が可視化され、苦手意識が「分析可能な課題」に変わっていきます。
家庭でできるサポート|家庭での学びを後押しする関わり方
ここまでの説明は化学が苦手な本人に向けた内容になっていますが、子供の苦手意識の改善は家庭のサポートでも解決に向かう場合があります。
なので、家庭でもできるサポートの方法も併せて紹介しておきます。
子どもが「化学が苦手」と言ったら、否定せず寄り添う姿勢が大切
「うちの子、化学が本当にダメで…」と悩まれる親御さんも多いかもしれません。
ですが、親の言葉や態度が、学習意欲に大きく影響することをご存知でしょうか。
化学が苦手な子どもは、自信を失っていることが多く、「自分なんてどうせ無理」と諦めかけていることもあります。
だからこそ、親御さんは学習の伴走者のような存在になってあげることが重要です。
家庭でできるサポート例
では実際に家庭ではどのようなサポートができるのか見ていきましょう。
1. 話を聞いてあげる
まずは話を聞いてあげるようにしてください。
「今日は何を勉強したの?」と自然な声かけだったり、学校の授業内容を話してみることで、自然と本人の記憶の定着にもつながります。
2. 小さな成果を一緒に喜ぶ
また、小さな成長を一緒に喜ぶようにしてください。
高校生になると、そんなことしても喜ばないと思うかもしれませんが、子供を喜ばすのが目的ではなく、成長していることを認めるという目的で喜びを表現するのが大事になります。
3. 必要な教材や道具をそろえる
あとは、金銭的なサポートになりますが、問題集や学習に必要な道具、学習環境づくりに必要なものをそろえてあげるようにしてください。
最初は最低限のものだけでもいいので、可能な限り環境づくりの整備は前向きに向き合ってもらいたいです。
4. 塾や家庭教師の検討も選択肢に
また、もし、本人の努力だけでは解決が難しい場合、外部の支援を活用するのも有効です。
塾や家庭教師など、学校以外で苦手を克服するための学習の場を設けてみるのも検討してみてください。
応援する姿勢が子どもの意欲を変える
なかなか子供の成績が向上してこないと、親御さんもいろいろ焦りが出てくるでしょう。
その焦りから出てしまう「何もできてないじゃない」「もっとやりなさい」という叱責よりも、「やろうとしている姿勢を認める」ことが何よりの支援です。
化学のような難しい科目は、挑戦しているだけでも立派なのです。
長期的な学習計画を立てよう|目標達成までのロードマップ
ではここで、また学生さんに向けた話に戻して、学習計画の立て方についても紹介しておきます。
高校生は勉強することが多いので、しっかりとした計画が立てられていないと、化学の苦手を克服する前に入試が来てしまいかねません。
なので、計画的に苦手を克服するように学習計画を立てるようにしましょう。
苦手な化学を短期間で克服するのは難しい
「苦手科目だから早く終わらせたい!」という気持ちは分かりますが、焦りは禁物です。
化学は積み重ね型の教科なので、短期的な詰め込みよりも、長期的な計画を立てて少しずつ進める方が確実に力になります。
学習計画を立てるポイント
では、学習計画を立てるうえでのポイントをお話しておきます。
ポイントは下記の3つになります。
- 1か月単位の目標を設定する
- 週ごとの学習テーマを細分化
- 1日の学習量は少なめでOK
特に、この計画は毎日続けられるレベルで問題ありません。
とにかく継続して勉強をするということが何よりも重要です。
計画通りにいかなくても大丈夫
ここまで計画を立てても、計画通りにいかないことも当然ですがあります。
ですが、うまくいかない日があっても、気にせず「次の日にやり直せばいい」と思える心の余裕も必要です。
苦手科目を克服するには、改めてですが、継続する力が最も大切な才能です。
理系進学を考えるなら、化学から逃げないほうがいい理由
このページの内容は理系に進路を決めた人も読んでいるかもしれません。
そして、このページを読んでもなお、「化学が苦手なら理系はやっぱりやめようかな」「理系だけど化学は受験しないようにしようかな」と考えている人もいるかもしれません。
ですが、理系に進む以上、化学は避けるべきでないと筆者は考えています。
その理由を最後に簡単ですが説明させてもらいます。
高2以降、化学は受験科目として大きな意味を持つ
もしあなたが将来、理系進学(医療系、工学系、薬学系など)を考えているなら、そもそも化学は避けて通れません。
大学入試でも共通テストや二次試験で出題されるうえに、配点も高く設定されています。
特に化学は、
- 暗記型の無機化学・有機化学
- 論理的思考が必要な理論化学
という二本柱で構成されており、バランスよく力をつけることが求められます。
苦手でも、早めに手を打てば伸びる教科
ですが、化学は「できない人がずっとできない」わけではありません。
化学は基礎が整えば、得点が安定する教科でもあります。
苦手と感じた今こそ、取り組み直すチャンスだと思って、学習を振り返るように頑張ってみましょう。
まとめ
このページでは化学が苦手な学生さんに向けて、苦手になる理由や苦手克服のため勉強方法、具体的な学習ステップなどを解説してきました。
正直なことを言えば、苦手な化学は、一気に克服できるものではありません。
しかし、正しい学習ステップを踏み、理解を深めることを意識すれば、確実に前進できます。
- molなど抽象概念のイメージ化
- 実験と理論を結びつけた理解
- 解説を活用した問題演習
- 家庭学習の環境整備と支援
- 小さな成功体験の積み重ね
このページで解説してきたこれらを意識して取り組んでいけば、いつの間にか「化学が苦手」から「化学が少しわかってきたかも」に変わっていくはずです。
自分のペースで、一歩ずつで構いません。
化学は努力した分だけ、必ず報われる教科なので、コツコツ地道に小さな成功を積み上げていきましょう。
コメント