高校生になると、理科はより専門性の高い分野ごとの科目に分かれていきます。
その分野の中でも、「物理」は特に理系の学部学科に進路を設定した学生さんに選択される傾向が多いですが、多少理系の分野が得意でも、物理が苦手という学生さんは少なくありません。
その理由は様々ありますが、物理特有の難しさがあるのも事実です。
でも、あまり不安にならないでも大丈夫です。
このページでは、物理を難しく感じる理由や、苦手克服のための勉強法など、いろいろな視点から少しでも物理ができるようになるための提案をしていきます。
理系なのに、できないと焦らずに、まずはこのページの中で紹介している内容に目を通してみて、すぐに実践できることから取り組んでみてください。
物理ができないのは「頭が悪い」からじゃない
本題に入る前に、物理を苦手に感じている学生さんはどのような状態になっているでしょうか?
おそらく物理が苦手な学生さんは、下記のような状態になっているかもしれません。
「物理の授業、全然わからない」
「テストはいつも赤点スレスレ」
このような悩みを持っている学生さんは少なくなく、実際に理系の学生さんでも物理を苦手とする人は一定数います。
ですが、ここでお伝えしたいことがあります。
「物理が苦手=物理ができない」ではありません。
物理が難しく感じる最大の原因は、「理解するための手順」や「適切な学習法」が自分に合っていないだけです。
特に、物理を苦手と感じる学生さんがつまずく共通点は次の3つです。
- 物理用語が抽象的で、イメージしづらい
- 数式や法則を暗記するだけで終わっている
- 問題の解き方ばかりに集中し、現象の理解が置き去り
この3つの中で、自分に当てはまるようなものはありますか?
こういった状況では、どれだけ問題集を解いても、成績が上がらないのは当然です。
物理が苦手になる5つの主な理由
物理を苦手と感じている学生さんの状況をざっくりとイメージしたところで、早速本題に入っていきます。
まずは、物理が苦手になる主な理由から見ていきます。
1.現実の現象と結びつかないから
まず第一の理由は学んでいる内容と現実世界の現象が結び付けられないからです。
物理は自然現象を数式や法則で説明する学問です。
ですが、現象をイメージできないまま式だけ覚えると、まるで呪文のように感じてしまいます。
例えば、「加速度が一定のときの運動方程式」も、「ブレーキを踏んだ車がどのくらいで止まるか」といった身近な現象とつながれば、グッと理解しやすくなるのです。
2.数学の知識が土台にあるから
2つ目の理由は、数学の知識や考え方が物理の土台にあるからです。
物理の公式には、数学の要素がたくさん出てきます。
たとえば
- 一次関数(速度と時間の関係)
- 二次関数(自由落下運動)
- 三角比(斜面上の力の分解)
- 微積分(電磁気分野では特に)
このため、「数学の基礎があいまいな状態」で物理を学び始めると、公式の意味がわからず混乱しやすくなります。
仮にこのような状態で公式の意味を理解できたとしても、1つ目の理由の現実の現象がなぜこの式で表されるのかをイメージができません。
3.抽象的な概念に慣れていないから
3つ目の理由は、物理特有の抽象的な概念に慣れていないからです。
「電場」「磁束」「運動量保存」など、物理の用語は実態がつかみにくいものが多いです。
そのうえ、視覚的に見えない現象を、言葉と数式だけで理解することが多いので、想像力が追いつかず挫折しがちになります。
4.説明を飛ばして暗記しているから
4つ目は、学習の方法において、公式や図の説明をよく読まずにただ暗記する学習をしているからです。
学校や参考書で「とにかくこの公式を覚えて!」と指導されると、多くの人は意味を考える前に暗記に走ってしまいます。
ですが、公式の成り立ちや背景を知らずに丸暗記しても物理では応用は効きず、少し難易度の高い問題で解答できないということになってしまいます。。
5.成功体験が少なく、苦手意識が増すから
そして、1~4のような状態になっていると、物理の問題で正解することができなくなっていき、成功体験が少なく苦手意識が増えていってしまいます。
その結果、「どうせできない」「理系に向いていない」と思い込んでしまうと、学ぶモチベーションすら湧きません。
そして、テストの点が悪いとさらに自信をなくし、負のスパイラルに陥ってしまいます。
苦手克服の第一歩:「基礎の見直し」から始めよう
上記で説明したような、物理が苦手になる主な理由の中で、当てはまっているものはあったでしょうか?
おそらく物理が苦手な学生さんであれば、どれか1つは当てはまっていると思われます。
では、こういったことを克服するためにどういうことをしていくのがいいのでしょうか?
苦手克服のために行っていくことをここから解説していきます。
「できない理由」をつぶすのが第一歩
まず最優先で行わなければいけないのは、できない理由を解消していくことです。
物理ができない原因は、前述のように「理解プロセスの欠如」が多くを占めています。
つまり、自分の頭の中に物理を理解する準備がまだできあがっていないだけです。
だからこそ、克服のための第一歩は「基礎の再確認」にあります。
具体的な学習アプローチ(ステップ形式)
基礎の再確認が優先だということを前提に、具体的な学習方法を紹介していきます。
ステップ①:教科書レベルを完全に理解する
まずは教科書に載っている問題を完全に理解できるようにしましょう。
物理が苦手な人にありがちなのが、「応用問題に早く取りかかりすぎる」ことです。
しかし、理解が及んでいない状態で、応用問題をやってもまず解けないので、教科書の例題・基本問題を3回以上繰り返すことから始めてみましょう。
特に、解法だけでなく、「なぜこの式を使うのか」「どんな状況の話なのか」を言葉にできるようにしてください。
ステップ②:図を書いて理解を深める
また、問題を解くときは図を描いてイメージしながら解くことを習慣づけましょう。
物理が得意な人は、必ず「図で考える」癖がついています。
力の向き、物体の位置、速度ベクトル、回路図など、自分の手で何度も描いてイメージ化してください。
図を書くだけで、問題文の理解力は格段に上がります。
ステップ③:身近な現象と結びつける
基本が少しずつ理解できるようになってきたら、身の回りの現象に結び付けて考えるようにしてみましょう。
例えば、歩いているときの加速度、車のブレーキ距離、電車の加速と減速、電子レンジのマイクロ波などが日常生活では考えやすい事例です。
身の回りの事象を、物理の法則で説明する癖をつけましょう。
これにより、単なる記号のやりとりが「リアルな現象」として理解できるようになります。
苦手なままでも焦らない!自分のペースで学ぶ
基礎から理解しなおすことは重要なことだと分かっていても、それでも周りとの差が埋まらず焦ってしまう人もいるかもしれません。
しかし、物理の内容は中学理科とは違い抽象度が一気に上がるため、「最初の壁」でつまずく人が自分以外にも多くいます。
そのため、焦って難しい問題に手を出すのではなく、「自分のわかる範囲」で小さな成功体験を積み上げていきましょう。
成功体験を積むための具体策
ここで言う「小さな成功体験」とは具体的には下記のようなものがあります。
- 1日1問でOK。教科書の基本問題を毎日解く。
- わからなかった問題は、必ず「なぜできなかったか」を振り返る。
- 同じ問題を数日後にもう一度解いて、「自分の成長」を実感する。
このような積み重ねが、必ず自分の知識として理解できるようになり、少しずつ着実に周りとの差が埋まっていきます。
なぜ「問題が解けない」のか─公式の丸暗記だけでは通用しない
ここまでの話の中で、物理が苦手な理由や、苦手克服のための学習方法を解説してきました。
特に学習方法はこれから苦手克服のための学習内容の見直しには活かせると感じた人もいると思います。
では、物理の問題は基礎問題の積み重ねや公式の暗記だけでできるようになるのでしょうか?
物理において「公式さえ覚えれば解ける」と思っている人が多くいます。
たしかに、テストの中には公式の適用だけで解けるようなサービス問題もあります。
ですが、本番の試験など少し応用が入った問題になると、公式の意味や条件を理解していないと対応できません。
具体的には模試や入試などでは、「考えさせる問題」が中心です。
だからこそ重要なのは、「なぜその公式を使うのか?」「問題文のどの情報に注目すればいいのか?」という論理的な思考プロセスです。
この論理的な思考プロセスが重要だということを念頭に、より具体的な物理の学習方法を見ていきましょう。
物理の問題解決ステップを習得する
では、論理的な思考プロセスを念頭に置いた勉強方法とはどういうものなのか見ていきます。
物理の問題を「解ける人」と「解けない人」の違いは、頭の良し悪しではないことは冒頭にも述べたとおりです。
その違いは、「解く手順が自分の中で身についているかどうか」です。
この解法手順こそが論理的な思考プロセスに当たります。
では、その具体的なステップ見ていきましょう。
ステップ1:問題文をていねいに読む
まず基本的なことですが、問題文を丁寧に読むようにしてください。
「どんな状況か?」「何が問われているか?」「どの情報が与えられているか?」
問題文の中にはこのような情報が書かれています。
1つひとつ丁寧に読み取り、「物理的な状況を理解」することが第一歩です。
条件や単位の見落としがミスの原因になるので、しっかりチェックしましょう。
ステップ2:図を描く
問題文の条件をしっかりと把握できたら、次に図を描いていきます。
これは前述したように、物理ができる人は必ず行っていることです。
実際に図を描いていく際は、下記のことを注意して書いていきます。
- 物体の位置、速度、加速度、力の向きなどを可視化
- 電気回路の場合は、電流の向きや電圧の位置関係
この図解ができるかどうかで、問題の正答率は大きく変わります。
ステップ3:使える法則や公式を判断する
図まで正確に書くことができたら、次にどの法則や公式が使えるかを判断していきます。
物理には様々な法則や公式があります。
その中で、今の問題の条件にはどの法則や条件が当てはまるかを考えます。
ステップ4:計算する・検算する
法則や公式が決まったら実際に計算をしていきます。
その計算において、特に「有効数字」「単位」の2つは意識して計算していきます。
せっかく使う法則や公式があっているにもかかわらず、これらのことでミスをして点数を落としてしまうのはもったいないです。
計算終了後は、計算して出た答えが現実的な数値か、問題の条件と矛盾が起きないか確認する癖もつけるようにしましょう。
このような論理的な思考プロセスが物理ができるようになる考え方です。
実際に手を動かして考える「演習」のコツ
論理的な思考プロセスが分かったところで満足するのは不十分です。
物理はインプットだけで得点できる教科ではありません。
問題演習を通して思考の型を身につけることが非常に重要です。
実際に問題演習を行うときのポイントは下記のとおりです。
演習のポイント
1.難しすぎる問題から始めない
先述したように、まずは基礎問題・典型問題を完璧にしていきましょう。
いきなり難問に飛びつくと理解が混乱します。
2.“なぜその解法になるか”を説明できるようにする
自分の言葉で説明できるようになるとより理解が深まっていきます。
たとえば、友達に説明するつもりで学習すると、法則や公式の背景など細かな知識の理解が一気に深まります。
3.同じ問題を何度も解く
小さな成功体験を積み重ねることも重要でした。
一度解けても、時間が経つと忘れます。
こうなってしまうと成功体験を重ねるのが難しい状況になってしまいます。
そのため、間隔を空けて3回は解きなおすことで、本当の意味で身につきます。
4. “解けなかった問題”の記録を残す
また、間違えた問題などをしっかり復習することも非常に重要です。
なので、ノートやアプリなどで、ミスや疑問点をまとめておくと、復習に役立ちます。
ICTツールを活用して苦手意識を克服する
ここまでの説明内容は机の上で勉強する方法が中心でした。
ですが、物理は実際にやってみて視覚的に理解していくことも効果的な学習になります。
そのため、物理の苦手意識を克服するためには、「感覚的に理解する」ことがとても重要です。
そこで活用したいのが、ICTを使った学習ツールです。
下記でおすすめのICTツールを紹介しておきので、時間があるときに実際に検索してやってみることをおすすめします。
おすすめのICTツール・サービス
①PhET(フェット)物理シミュレーション
PhRTは、アメリカ・コロラド大学が提供する、無料のシミュレーションツールです。
このツールでは、力のつり合い、運動、波、電気回路などを直感的に体験できます。
効果的な使い方
このツールの効果的な利用方法として、「滑車」「斜面」「力の分解」などのシミュレーションを使って、
授業で習った法則を映像で体験することです。
教科書では理解しにくい抽象的な内容も、可視化されて一気にわかりやすくなります。
②YouTubeの解説動画
物理を学ぶ学生さんにはYouTubeが最も身近で触れやすいICTツールだと思います。
YouTubeには様々な実験系のチャンネルや教育系のチャンネルがあります。
エンタメによりすぎていないような内容であれば、物理の興味や関心を高める目的で利用するのはおすすめです。
③スマホ学習アプリ
最近ではほとんどの学生さんがスマートフォンを持っていると思います。
なので通学時間などにはスマホアプリで基本的な公式などを学習するのも効率的でおすすめです。
協働学習のすすめ─友達と学ぶと物理は楽しくなる
ここまでの説明は1人での学習に有用な内容が多かったですが、物理のような「考える力」が問われる科目では、誰かと一緒に学ぶことで理解が深まることがあります。
例えば、友達と一緒に勉強すると下記のようなメリットもあります。
- 自分が理解していたつもりの内容を言葉にして整理できる
- 違う視点からの解法を知ることができる
- 疑問をすぐに質問・議論できる
また、友達に教えることで自分の理解もより強固になります。
「他人に説明できる=理解している」という証拠でもあります。
もし周りに学ぶ仲間がいないときは?
友達と一緒に勉強できるメリットはありますが、物理は選択科目の都合などで、クラスメートに物理選択が少ないこともあります。
そのような場合は、以下の方法で協働的な学びを実現できます。
- オンライン自習室(DiscordやStudyWithなど)
- X(旧Twitter)で物理アカウントと交流する
- 解説動画にコメントして、他の視点をもらう
今は自分だけで勉強する時代ではありません。
ICTの活用により、全国の物理を学ぶ仲間とつながることができるので、活用できるものは積極的に活用していき、少しでも理解の促進を促してくれるものに触れる機会を増やしていきましょう。
学習スケジュールの組み方─物理に時間を割けない人のために
物理が苦手な理由として、1つ特徴的なものがあり、それは勉強時間がさけないために苦手になっているということがあります。
たしかに、高校では複数科目の勉強に追われ、物理にばかり時間を割けないという声も多いです。
そういった場合は「短時間でも質の高い学習」を続ける工夫が重要です。
これは物理に限った話ではないと思いますが、自分の1日のスケジュールを見直して、毎日でも物理に充てる時間を作ることをおすすめします。
日々の小さな努力が、必ず基礎知識の定着と理解の構築を促進してくれます。
興味のある分野から得意分野をつくる
学習の工夫についてはいろいろな形や方法があると、ここまでの説明を通してイメージできたかと思います。
では、物理の苦手克服に向けて、どこから始めていくのがいいでしょうか?
もちろん、苦手分野から始めていければいいですが、物理は複数の学習領域があるので、物理が苦手な人こそ自分が興味や関心を持てる領域から始めることをおすすめします。
物理は「力学」「波」「熱」「電気」「原子」など、多様な領域で構成されています。
そして、すべての分野を同じレベルで得意にする必要はありません。
まずは、自分が少しでも「面白い」「興味ある」と思える分野を見つけることが大切です。
たとえば、下記のような入り方ができると考えます。
- 機械いじりが好き → 力学・エネルギー保存則
- 音楽に興味がある → 波動・音の伝わり方
- 電気機器が好き → 回路・電磁気分野
- 宇宙にロマンを感じる → 重力・万有引力
このように、日常生活の中の物理との接点を意識することで、学びへの親近感が生まれます。
そして興味を持った分野が「得意分野」になり、やがて全体の理解を底上げする原動力になります。
物理学習のモチベーションを保つコツ
物理の勉強の始め方は上記のような方法をおすすめしていますが、いくら興味や関心があるといっても苦手であるという事実は始めはあると思います。
そこで、苦手な学習の継続には「モチベーション管理」が欠かせません。
ここでは、苦手な勉強を継続するモチベーション管理の方法を紹介します。
モチベーションを維持するために以下のような工夫をぜひ取り入れてみてください。
成長を「見える化」する
最もモチベーションが維持できる方法としては、できるようになったことを認識できるようなることです。
そのために、自分の成長を下記のように見える化することをおすすめします。
- 解けるようになった問題に✓マークをつける
- 毎週「今週わかるようになったこと」を1つ書き出す
ごほうび制を導入する
また、努力の過程を認めることでモチベーションに繋がる人もいるかと思います。
そういう人は、自分にごほうびを用意してみてもいいかもしれません。
- 「問題集を10ページやったら、動画を1本見てOK」
- 「1週間毎日物理に触れたら、週末は遊びに行く」
ごほうびを設定するポイントとしては、短期的な目標と小さなご褒美にすることです。
このような小さな達成感が継続力につながります。
定期的に「なぜ学ぶのか」を思い出す
学習の原動力が将来の目標であれば、定期的に学ぶ目的を振り返ってみましょう。
モチベーションが下がった時に、自分の「物理を学ぶ理由」を言葉にすることで、再び前向きになれます。
家庭でできる「物理が苦手な子ども」へのサポート
苦手を克服するための努力はもちろん本人がするわけですが、ここでは本人を支える家族にできるサポートを紹介しておきます。
正直なところ、高校の勉強は専門的で、親御さんが直接教えることが難しい分野も増えてきます。
ですが、学習そのものを支える環境づくりには親御さんの支援が欠かせません。
例えば、下記のようなことができると考えます。
家庭でできるサポート方法
①学習環境の整備
まずは学習環境そのものの整備の支援です。
- 静かに集中できる机・照明
- 学習に必要な参考書や問題集の購入支援
- ICT環境(Wi-Fi、PCやタブレット)の用意
このような支援は、どうしても金銭的な支援になり、親御さん自身も負担がありますが、必要な投資と考えていただき、可能な範囲で対応してもらうのがいいでしょう。
②規則正しい生活リズムの確保
2つ目は、本人の生活リズムの確保です。
高校生になると、ある程度自分で生活リズムを作っていると思いますが、親御さんができるのは、家庭全体の生活リズムの確保になります。
- 睡眠時間の確保(6~8時間)
- 朝食・夕食での体調管理
- 無理なく勉強と休息のバランスが取れる日課の支援
上記のようなものが挙げられますが、最近は親御さんもお仕事をしていることもあり、難しいものもあると思います。
そのような場合も、可能なものだけでも行い、家庭全体の生活リズムのフレームを作るだけでもいいかもしれません。
③声かけと見守り
1番重要かもしれませんが、適度な距離感で本人と接してあげることも忘れないでください。
- 「今日はどの分野をやったの?」など、学習内容に興味を持つ
- テスト結果に対する責めではなく、過程を褒める
- 成績の変動に一喜一憂せず、地道な努力を認める
特に、高校生だと親御さんとの家庭内の接触を避ける人もいるかもしれません。
なので、適度な距離感を保ちつつ、このように、直接的に教えるのではなく、学習への意欲や継続を促す関わり方が、物理に限らず苦手克服につながります。
よくある質問(Q&A)
最後に物理の苦手克服にあたってよく聞くQ&Aをまとめておきます。
まとめ
このページでは物理が苦手な学生さんに向けて、物理が苦手の理由や苦手を克服するための勉強法、具体的な学習ステップなどをお話させていただきました。
改めて、このページでお伝えさせていただいた内容を振り返ってきましょう。
物理が苦手な理由とは
- 現象をイメージできない
- 数式が意味不明
- 成り立ちを知らずに暗記している
- 小さな成功体験がない
克服のためにやるべきこと
- 教科書レベルを徹底理解
- 図やモデルを描いて視覚化
- 公式を「なぜそうなるのか」まで追求
- 問題演習で解法の型を身につける
- ICTや仲間との学習で理解を深める
- モチベーションを保ち続ける仕組みを作る
物理は将来にも役立つ
- 論理的思考力や問題解決力が養える
- エンジニア・医療・AI分野などの進路に直結
- 「使える学問」として社会で役立つ
家庭でできること
- 学習環境と生活習慣のサポート
- 学習過程への理解と共感
- 自立を後押しする声かけと見守り
これらの内容をしっかりと理解して、自分のペース着実に知識をつけていけば、少しずつでも物理の本当の理解ができるようになっていきます。
正しい学び方と、少しの工夫、そして継続する姿勢があれば、必ず理解できる日がやってきます。
その第1歩として、このページの内容をヒントに、「今日からできること」を1つでも始めてみてください。
ここで紹介した小さな成功を積み重ねた先に、未来の「物理が得意な自分」がきっと待っています。
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