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理科が苦手な理由とその克服法|理科が得意になる学習ステップ

コラム

小学校の時に理科が好きだった人が、中学生になると急に理科が嫌いになるというケースは珍しくありません。

その背景には様々な理由があると考えられますが、理由の1つに学習方法の違いがあるものと思われます。

中学生の理科は、実際に計算問題や実験の重要事項の暗記が中心となり、計算と暗記の両方をこなしていかなければならず、それが上手くできない結果、嫌いになってしまうということになります。

このような状態に陥っている人は、どうすれば両方できるようになるか自分1人で見つけていくのが難しくなります。

なので、このページでは、理科が苦手な学生さんに向けて、根本的な理科が苦手な理由の説明と、理科を克服するための勉強方法を解説していきます。

 

理科が苦手と感じる5つの代表的な理由

まずは、「なぜ理科が苦手なのか」を客観的に整理していきます。

理由を知ることは克服への第一歩です。

①覚える用語や内容が多く、整理ができない

1つ目の理由は、覚えることが多くて、頭の中で整理が追いついていかないという点です。

理科では、生物・化学・物理・地学という複数分野を学ぶ必要があります。
(中学生はこれらをまとめて「理科」という科目で学びます。)

そして、それぞれの分野で大量の用語や概念が出てきます。

特に「炭酸水素ナトリウム」「蒸留」「光の屈折」など、普段は聞き慣れない言葉が多く、一度にすべて覚えようとすると混乱します。

対策ポイント:分野ごとに“知識マップ”を作る

この用語が多く出てきて、知識の整理が追い付かないときは、各分野ごとに「知識マップ」を作るのがおすすめです。

ノートに用語をグルーピングしてまとめることで、知識の整理ができるようになります。

「知識マップ」と言ってしまうとイメージが難しいですが、各分野ごとの「用語集」といえばイメージもきっとしやすいでしょう。

特に中1の理科は、「似た言葉の区別(例:溶解・溶液・溶媒・溶質など)」を意識して整理するのが重要です。

②計算問題が急に増え、手が止まってしまう

2つ目の理由は、計算問題が急増するという点です。

中学校の理科では、密度・浮力・圧力・電流・電圧・仕事量など、数学的な要素を含む単元が出てきます。

これらの計算問題に苦手意識を持つ学生さんは非常に多く、「公式が覚えられない」「どこに数字を入れていいか分からない」という声を筆者が塾の講師をしていた時によく言われました。

対策ポイント:公式を“言葉で”覚える

公式に関連した課題は、公式を「言葉」で理解して、式の意味を考えるようにしてみましょう。

例えば、「密度=質量÷体積」ではなく、「どれくらいの重さがどれくらいの体積に詰まっているか」と言い換えることで、公式に納得感が生まれます。

さらに、実生活でのイメージ(例:氷と鉄の重さの違い)と結びつけると理解が深まります。

③実験がイメージしづらく、教科書だけでは理解できない

3つ目の理由は、実験が増えてくることにあります。

中学の理科は、「実験ありき」の内容が多く、教科書で読んでもイメージが湧かないことがよくあります。

特に「蒸留」「電気回路」「化学反応」など、動きのある内容は図や映像がないと想像が難しいにもかかわらず、試験では頻出の実験であるので、気が付いたら苦手になっていたというケースがあります。

対策ポイント:動画・図解で“視覚的”に理解する

実験に関する対策を机の上での学習や、自宅ではどうしてもカバーすることは難しいです。

なので、今の時代は、オンラインの教材で知識を補うようにしてみましょう。

現在はYouTubeや教育アプリに多数の理科解説動画がアップされています。

特に、おすすめは文部科学省監修の「NHK for School」の理科動画です。

安全な環境で、実際の実験映像を繰り返し視聴できます。

④学習範囲が広く、どこから復習していいかわからない

4つ目の理由は、理科に限った話ではありませんが、学習範囲が広いという点です。

1学期は生物、2学期は化学、3学期は物理…と分野が頻繁に切り替わる理科は、「つながりを感じにくい」科目です。

それぞれの分野を独立して考えてしまい、「復習の順番が分からない」という悩みにつながります。

さらに、学年が変わってもまた、生物→化学→物理…と学習分野が回っていくので、前の学年で勉強した知識を忘れてしまっている状態で新しい勉強が始めるため、試験対策や本番で「覚えていない」という課題が表面化してしまいます。

対策ポイント:単元ごとにミニテスト形式で復習

学習範囲が広いと感じる際の対応策としては、単元ごとにテストを実施することです。

苦手単元を把握するためには、まず単元別のチェックテストで理解度を確認しましょう。

市販の「一問一答集」や「理科の要点まとめ問題集」(教育出版、学研、啓林館など)を活用して、自分の弱点を洗い出すのが有効です。

⑤理科に興味が持てず、学ぶ意味を感じにくい

5つ目の理由は、そもそも理科に興味がわかずに勉強の目的や意味が見いだせないということです。

「理科なんて将来使わないし」「暗記ばかりで面白くない」

塾の講師をしていた時は、このようなそ声を耳にすることも少なくありませんでした。

こういった声が出てしまうのは、理科を“生活と切り離して”捉えていることが原因です。

対策ポイント:身近な例と理科を“つなげて”学ぶ

理科に興味や関心を持つようにするには、身近なものから理科の知識を繋げるということです。

例えば、下記のようなものはいい例になると思います。

  • スマホの画面=光の反射や偏光
  • 電子レンジ=電磁波の活用
  • 炭酸飲料=気体の溶解圧

これらの例は中学生には難しいと思いますが、日常生活の中で見られる理科の例としては、これらに限らずあちこちで活かされています。

理科の「何に使えるか」を発見できれば、学習のモチベーションも高まります。

 

苦手を克服するには“好きな部分”を見つけることから

これら5つの理由で理科が苦手になると考えていますが、理科を好きになるためには別のアプローチの仕方もあります。

上述したように、理科は複数の分野の学問が集まった科目です。

そういった科目の特徴により、理科の中にも、生物が好きな人、化学が得意な人、物理がわかりやすいと感じる人、それぞれ違いがあります。

理科を全体として捉えるのではなく、「まず自分が好きになれる分野」を見つけるのも克服への効果的なアプローチです。

それぞれ理科の分野ごとに得意な人の傾向を簡単にまとめてみたので、参考にしてみてください。

生物が得意な人は…

  • 身近な動植物に興味を持ちやすい
  • 観察が得意な傾向
  • 記述問題や図解が得意になる

化学が得意な人は…

  • 「なぜこの変化が起きるのか」を考えるのが得意
  • 計算よりも実験や色の変化に興味を持つ

物理が得意な人は…

  • 論理的に考えるのが得意
  • 計算や回路図の整理が得意

人によって、克服の仕方には違いがあると思いますが、特に中学の理科では、「得意分野から入り、理解の幅を広げる」戦略も有効です。

 

理科を得意に変える!具体的な学習法と工夫のステップ

ここまでの説明では、理科が苦手と感じる理由と、それぞれの原因に対する基本的な対策を紹介しました。

ここからは、「どうすれば理科の勉強を効果的に進められるのか?」という視点で、実践的な学習法と日常生活とのつながり、ICT活用や家庭・学校以外の学習環境まで、順を追って詳しく解説していきます。

1.理科は「なぜ?」から始めると面白くなる

学習方法を紹介していく前に、まずは意識の問題から克服へアプローチしていきます。

理科の本質は、「なぜそうなるのか?」という問いに対して、科学的に答えを見つけていく学問です。

つまり、暗記ではなく、疑問を持つことから始まる科目なのです。

たとえば以下のような問いを持ってみましょう。

  • なぜレタスは冷蔵庫でしおれるのに、キャベツはしおれにくいのか?
  • なぜ月は毎日形が変わるのか?
  • なぜ空は青いのか?夕方は赤いのか?

こうした素朴な疑問が、実は中学の理科の内容とつながっています。

自分の興味関心から始めることで、「調べたい」「知りたい」と思えるようになり、自然と学習が前向きになります。

このような意識の持ち方を変えるだけで、理科の勉強自体も徐々に楽しく感じるようなっていきます。

2.日常生活と理科をつなげる視点を持とう

上記で、身の回りの疑問から理科への興味を持つようにお話しましたが、興味を持ったから即勉強ではなく、身の回りのことから発展させながら勉強に移行していくほうがスムーズに理科の勉強には入れます。

本当に多くの理科の知識が生活のあらゆる場面に登場します。

学んだことを身の回りと結びつけることで、「覚える」のではなく「理解して納得する」感覚に変わり、定着が深まります。

例えば、日常生活の中では下記のようなものがあります。

日常の出来事 関連する理科分野
炭酸飲料の泡 気体の性質・溶解
電子レンジで温める 電磁波・分子運動
スマホのバッテリー 化学反応とエネルギー
雨上がりの虹 光の屈折・反射
冬場の静電気 電気と電荷の性質

これらの例は、中学生には難しい知識ではあります。

ですが、こうした「生活での発見」を理科の視点で捉え直すことで、学ぶ内容にリアリティが生まれ、自然と知識がつながっていきます。

3.理科は「図とモデル」で理解するのがコツ

勉強にシフトできるようになってきたら、いよいよ勉強をしていくうえでのコツを紹介していきます。

まず最もおすすめなのは、図やモデルを用いて考えるという方法です。

文章だけでは理解しづらい理科の内容は、図や模式図、模型や動画などの視覚的な情報で補うのが効果的です。

視覚的な学習の具体例

  • 電流の流れ→豆電球や回路図のイラストを描いて覚える
  • 化学変化→ビーカーと加熱装置の図で変化の様子を再現
  • 地層→地面の断面図と層の順番を図解して整理

上記のようなイメージの例が挙げられますが、最近では、視覚と音声を使った学習アプリや動画教材も多数登場しています。

上述したNHK for Schoolに加えて、スタディサプリなど、信頼性の高い教育系サービスを活用するのがおすすめです。

4.実験を“やってみる”ことで理科が得意になる

図やモデルを使ってイメージができたら、次のステップとして、実験を実際に行ってみるという方法です。

中学校では実験を通じて現象を理解することが多いですが、家庭でも簡単にできる実験を通して「自分で発見する経験」を得ることができます。

家庭でできる簡単な理科実験

  • 【大気圧】ペットボトルとお湯で「へこむボトル実験」
  • 【浮力】塩水の濃さによって卵が浮く様子を観察
  • 【化学反応】重曹と酢で発泡する「炭酸ガス実験」
  • 【光の屈折】透明なコップとストローで「曲がるストロー実験」

これらの実験の例は、ごく簡単な例であり、実験に必要な道具もスーパーや100円ショップなど簡単に手に入れることができます。

安全面に配慮しながら、こうした体験学習を通じて「見たことがある」「やったことがある」知識として定着させましょう。

もし普段は時間がないということであれば、夏休みなどの長期休暇の際にやるのもおすすめです。

5.ICT(デジタルツール)で楽しく理科学習!

簡単な実験をできるのは楽しいが、教科書にあるような実験を学習したいという場合は、ICTツールを使って勉強してみましょう。

デジタル教材(ICTツール)を活用することで、より教科書の内容に近い実験を楽しくかつ繰り返し確認が可能です。

おすすめのICTツールなどは下記のとおりです。

サービス名 内容
NHK for School 映像教材が豊富(小・中学生向け)
YouTubeの理科実験系チャンネル 実験の様子を動画で見られる
理科ポータル(文科省) 理科教育の教具・映像ライブラリ
科学技術館オンライン バーチャル展示や動画解説

これらのツールを使えば、家にいながらも実験の様子を視覚で理解したり、苦手単元を繰り返し視聴したりと、自分のペースで学習できる環境が整います。

ただし、映像の視聴ばかりがメインになって、本来の勉強が疎かにならないように注意はしましょう。

6.理科の勉強は「教えること」で理解が深まる

少しずつ勉強内容が頭に入ってきたら、今度は人に教えるということをしてみましょう。

友達や家族に理科の内容を説明することで、自分の理解がどれだけ定着しているかを確かめることができます。

これは「アウトプット学習法」と呼ばれ、非常に効果の高い学習方法です。

アウトプット学習のコツ

  • 疑問に対して、答えを自分の言葉で説明してみる
  • 実験の手順や結果を図付きでまとめて家族に発表
  • 理科のノートを先生役になって自分で教えてみる

「理解しているつもり」だった部分の穴が見つかり、より深い理解と記憶の定着が促されます。

7.理科を「ひとりで学べない」なら友達と一緒に

最後に補足ですが、どうしても自分1人では勉強が難しい場合は、友達と一緒に勉強をしてみましょう。

理科は1人で学習していると挫折しがちな教科です。

そんなときは、友達やクラスメイトと一緒に学習するのも効果的です。

具体的には、友達と勉強すると下記のようなメリットがあります。

  • お互いの疑問を解決しあえる
  • 学習のリズムが崩れにくい
  • 他人に説明することで自分の理解が深まる(アウトプット学習法)
  • 一緒に実験動画を見る、問題を解き合うなど多様な学習が可能

家族や学校のサポートが難しいときでも、同じ目標を持つ仲間と学習することで、理科への関心が深まるきっかけになります。

 

継続できる学習法と苦手克服のための習慣化

ここまでの説明で、具体的な勉強方法はイメージできたと思います。

勉強方法がイメージできた次のステップとしてとても大事なステップがあります。

中学生にとって、理科を学ぶうえで最も重要なのは、「わかった!」を積み重ねることです。

このステップを何度も繰り返すことで、理解したものが自分の知識として確実なものになっていきます。

ここからはその理解の積み重ねの方法を説明していきます。

1.復習は「わかる」を「使える」に変える作業

理解の積み重ねにおいて、最も重要なのは、「復習」です。

これは理科に限らず、どの教科でも「復習」は学習定着のカギとなります。

しかし、理科の場合は特に「用語や法則を理解するだけでなく、それを説明できる・使えるようになる」ことが大切です。

では、理科における効果的な復習の方法やどういったものがあるのか見ていきます。

  • 習ったその日のうちに要点を整理する(短期記憶を長期記憶に)
  • 週に1回は過去の学習範囲を見返す(習った内容を忘れない)
  • 模擬問題や一問一答でアウトプット練習(用語を正確に思い出す)

理科の効果的な復習方法を挙げると上の3つの方法がおすすめです。

特に、2つ目の学習範囲の見返しは、ただ見返すのではなく、学習ノートに自分の言葉でまとめることで、教科書の内容が「自分の知識」として整理されます。

また、図を描いたり、自作の例を書いたりするのも効果的です。

2.学習計画と目標設定で“自分ごと”にする

上記の効果的な復習を行うためには、勉強のスケジュールと目標設定も大事になります。

成績を上げるには、ただ勉強するだけでなく、明確な目標をもって、計画的に進めることが必要です。

「理科をできるようになりたい」と思ったら、まずは、なぜそう思ったのかを考えることから始めてみましょう。

ここで、目標のおすすめの立て方も併せて紹介しておきます。

下記の1~4のステップで構築していった見ましょう。

目標設定のステップ

  1. 目的を明確にする:「次の定期テストで理科の点数を10点上げたい」など
  2. 短期・中期・長期の目標を立てる:1週間後・1か月後・学期末など
  3. 達成のための具体的行動を決める:1日30分理科の時間をつくる、毎日1単元復習など
  4. 進捗をチェックする:週末に達成度を確認し、見直しを行う

スケジュール管理は、他の教科の勉強の兼ね合いや1人ひとり苦手な分野も違うので、一概にこれがおすすめとは言えませんが、毎日理科に触れるようにすることは意識してスケジュールを組んでみるようにしてみてください。

3.家庭の役割:理科好きになる“きっかけ”を与える

理解の積み重ねの段階においては、実は、自分以外に家族の協力も必要になります。

なので、この内容は、家族の方に向けてのないようになります。

上述していますが、理科は興味をもつことが何よりの入り口です。

そこで、家庭でのサポートは、「理科=難しい」ではなく、「理科=身近で面白い」というイメージを子どもに持たせることにあります。

例えば、家族ができるサポートの方法は下記のようなものがあります。

  • 科学館・博物館へ家族で行く:展示物をきっかけに会話が弾む
  • テレビ番組やYouTubeで科学系の動画を見る:親子で一緒に視聴することで興味を共有
  • 家庭内で話題を理科に結びつける:天気、食べ物、電気などあらゆる話題が理科につながる
  • 学習環境を整える:静かに集中できる机、参考書、図解資料の用意

子どもに「調べるのが楽しい」「考えるのが面白い」と思わせることができれば、理科に対する意欲は自然と高まります。

4.苦手意識の克服は「小さな成功体験」から

話は戻って、学生さん本人の取り組みになりますが、理解の「積み重ね」なので、積み重ねられない努力はなるべくしないほうが得策です。

理科が苦手な学生さんの多くは、最初から「自分には無理」と思い込んでいます。

ですが、得意・不得意は生まれつきではなく、経験によって変わるものです。

そのため、積み重ねていくものは、まずは「できた!」という成功体験であることが重要です。

 

まとめ

このページでは、理科が苦手な学生さんに向けて、なぜ理科が苦手になるのかといった理由や、苦手克服のための勉強方法やツールなどを紹介してきました。

このページを読んでいる理科を苦手と感じている学生さんは、理科が苦手だと感じている今の状態は、あくまでも一時的なものであるということは認識しておいてください。

「わからない」→「ちょっとわかるかも」→「おもしろい!」という段階を踏めば、理科は確実に得意に変わっていきます。

そのためには、このページで紹介した以下のポイントを意識して日々の学習に取り組んでみてください。

理科が得意になるためのまとめポイント

  • 「なぜ?」から始めて学習を楽しむ
  • 視覚・実験・体験を通じて理解を深める
  • 学んだ知識を日常とつなげる視点を持つ
  • ICTやグループ学習を活用して飽きずに続ける
  • 計画的な復習と目標管理で成績アップにつなげる
  • 苦手な単元は細分化して、少しずつ克服する
  • 家庭や周囲のサポートを上手に活用する

理科は、「わかれば面白い」「できれば楽しい」科目です。

このページの内容を活かしながら、ぜひ自分に合った学習スタイルを見つけて、理科に対する苦手意識を乗り越えていってください。

そして、「理科って意外と得意かも」と感じられるようになったら、それがあなたの自信になり、未来の学びや進路にも大きな影響を与えてくれるはずです。

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