近年は小学校や中学校、高校もどの学習段階においても、学習内容の範囲や求められる知識レベルが深くなっていっています。
そういった状況において、学校の授業の内容だけでは理解が追いつかず、塾や家庭教師を検討している学生さんや親御さんも増えてきています。
ただ、塾や家庭教師も無料というわけではないので、気軽に入会や申し込みができるわけではないと思います。
この記事では、このサイトでは理系の初学者に向けた情報を発信している特色があるため、特に数学や理科の学習内容で躓いている学生さんやそのご家庭の方に向けて、これまでの筆者の経験をもとにどうすべきか考えていきたいと思います。
そして、いきなり結論にはなりますが、筆者は数学や理科の学習内容を補う上で、塾や家庭教師はおすすめです。
その理由をこれから説明していきます。
学校の授業のスピードはかなり早い
数学や理科の学習内容を補うために塾や家庭教師をおすすめする第一の理由として、「学校の授業スピードはかなり早い」からということです。
この点については、当事者である学生さんはあまりイメージがしにくいものではありますが、親御さんはご自身が学生だった頃と比べると授業スピードが早くなっていることを意識しやすいと思います。
今の学生さんたちの学習範囲は、脱ゆとりの流れを受けて、どの科目も多くなってきています。
少し話はずれますが、小学校の高学年から英語の授業が始まっているのは、その典型的な例です。
そして、英語に限らず、理系科目の数学や理科についても学習範囲は広くなってきています。
ですが、学習範囲が広がっているにも関わらず、小学校や中学校の授業のコマ数や授業時間は大きな変化はありません。(授業時間が少し伸びたという改革はあったものの、1コマの時間が10分程度伸びただけでは、広くなった学習範囲の理解を深めるような授業をするのは、学校の先生方にもかなりの課題を要求しています。)
そのため、学校では何とか学習範囲を規定の学年のうちに終わらせるべく、授業スピードを早める対応を取る傾向にあります。
受験を控えている学年はより授業スピードが早い
さらに言えば、中学3年生と高校3年生は受験を控えている学生さんが圧倒的です。
受験を控えている学年では、受験前には学校の授業の中で、受験対策の授業をすることが一般的です。
そのため、3年生で学習する内容は、実質的に2年生のうちに始めたり、もしくは今まで以上の授業スピードで進めていくしかないわけです。
学年を前倒しで授業をしていったとしても、結局はその分のしわ寄せは、今の授業時間に当たってきますので、授業スピードを早めざるを得ないとなってしまうわけです。
学校側で授業の工夫はできないのか?
そうなってくると「学校の方で何らかの対策や工夫はできないのか?」と思う学生さんや親御さんもいるかと思います。
この点については、非常に難しいと思われます。
学校の先生は授業以外の業務も多く抱えています。
学校運営に関する業務(学校行事の準備や取りまとめ)、学生たちの進路に関する業務(進路調査や学校調査)、学生たちの成績に関する業務(通知表の作成や内申点の集計)、学校教育に関する業務(科目部会議や教員会議)など、挙げればキリがありません。
もちろん、先生の努力次第では何らかの工夫はできるかもしれませんが、昨今、教員の長時間労働の問題もあるため、学校側から先生たちに対して授業の工夫を迫ることは難しいと思われますし、先生自身も工夫をしなければと感じていらっしゃると思いますが、その改善をするような時間が足りないというのも現実です。
授業で求められる理解度が深い
そして、第二の理由として、「学校の授業で求められる理解度が深い」という点があります。
どういうことかと言うと、テストや受験で問われる知識の深さ(理解度と考えてもらってもいいです。)は年々深くなっていっているということです。
例えば、毎年年始に行われている共通テストについては、様々なメディアで講評されています。
講評の中には、大手の学習塾や予備校もコメントを出しているところもありますが、学習塾や予備校の先生方のコメントも近年では、「難化していた」「昨年よりも難易度が高かった」などのコメントを目にすることが多くなりました。
つまり、高校や大学に入るために求められる知識レベルが高くなっているということになります。
仮に、授業の内容が数年前と同じような内容であったとして数年前の知識レベルで、卒業した学校の入試問題に挑戦したら合格点に達するか、筆者でも怪しいと感じるぐらいです。
解答のスピードも求められている
さらに第三の理由として、「問題の解答にかかるスピードも求められている」という点です。
特に大学受験の第一関門である共通テストは、問題の難易度だけでなく、問題量そのものも多くなってきています。
これでは、いくら知識がしっかりと身についていたとしても、問題を全て解くための時間が足りません。
そして、数学や理科に関しては、時として教科書の「発展」のような内容に記載されている解法でなければ、解答が全く間に合わないということもあります。
そうなると、学校の授業では省略もしくは口頭で紹介されているような内容も頭に入っていなければ、到底問題に太刀打ちできません。
以上、3つの理由が筆者が数学や理科では塾や家庭教師をおすすめする理由です。
- 学校の授業のスピードはかなり早い
- 授業で求められる理解度が深い
- 解答のスピードも求められる
自宅学習を頑張るという選択肢は?
そうは言っても、塾は家庭教師は無料ではないから、なかなか気軽に入会や申し込みやできないという家庭もあると思います。
そういった家庭では、「自宅学習」をより頑張って取り組むという選択肢はないのか考えると思われます。
自宅学習について、筆者は「できる学生さんなら、よりおすすめ」です。
自宅学習のメリットを筆者は下記のように考えています。
- 費用が最低限で抑えられる
- より自分のペースで進めることができる
費用が最低限で抑えられる
自宅学習の最大のメリットは「費用を最低限に抑えられる」という点です。
自分で学習できる人であれば、各地域ごとの一般的な公立高校なら、学校で購入したテキストや問題集だけで合格はできるレベルです。
大学入試では、学校で購入したテキストだけでの合格は少々難しいので、最低限自分にあったテキストや問題集の購入は必要になりますが、それでも数千円〜数万円程度で収まるので、経済的ではあります。
より自分のペースで進めることができる
そして、自宅学習のメリットには、「自分のペースで学習を進めることができる」という点もあります。
もちろん塾や家庭教師も自分の学習を自分のペースで進めることができます。ですが、自宅学習の場合は、学習内容をしっかりと理解できている内容は飛ばしたり、逆に全く理解できていない、または忘れてしまっている内容は教科書の例題レベルの問題から復習することができます。
そして、学習の計画を立てるのも自分になるので、テストや受験までの日程を逆算して、計画的に学習を行っていけるというのも強みです。
これらの内容は自宅学習のメリットになりますが、デメリットも人によっては感じる場合があります。
自宅学習の一番のデメリットは「集中力が続かない」ということを挙げる人は多いです。
集中して学習できなければ、自宅学習に限らず知識は深まっていきません。
そういう人が比較的多いと感じたことがあるので、筆者は塾や家庭教師はおすすめしています。
そして、集中力が続いてくるようになったり、学習の習慣が身についてきた場合は、思い切って退会や解約をするという選択肢も用意しておくのがいいと考えています。
まとめ
ここでは、塾や家庭教師は必要か?という点について筆者の考えを述べてきました。
特に数学や理科などの科目に関しては、スピードが早い分、理解が追いつかないとあっという間に取り残されてしまう科目であります。
そうなってしまうと、学習のモチベーションが下がってしまったり、一生懸命勉強しても結果に繋がらないこともあります。
上記のような状態で学習を継続するのは、非常に精神的にキツく感じるのも事実です。
あくまでも筆者はおすすめするという立場ではありますが、各家庭の事情ももちろんあると思いますし、仮に塾や家庭教師をやるとなっても、今度はどこの塾や家庭教師がいいのか?という問題も出てきます。
このような問題については、勉強する学生さん自身の素直な思いが最も尊重されるべきものだと思います。
昨今の経済事情の中では、簡単には踏み切れない決断ではあると思いますが、学生さん自身は、じっくり自分の学習理解度や今度の受験計画と向き合って、親御さんは学生さんの考えや価値観と丁寧に向き合って、最善の選択を進めていってもらいたいと思います。
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