このページを読んでいる学生さんの多くは、数学をはじめとする、理系科目に苦手意識がある学生さんがほとんどだと思います。
もしかしたら、数学の授業になると、なんだか気持ちが重くなったり、問題を見ただけで頭が真っ白になったり、そんな経験はありませんか?
「どうして自分は数学ができないんだろう」「何をやっても理解できない」と悩みながら、勉強を続けるのはとてもつらいものです。
でも、安心してください。
数学が苦手なのはあなただけではありません。
実は、多くの人が同じ悩みを抱え、そこから少しずつ克服しています。
この記事では、数学が苦手になる原因を理解し、どうしたらできるようになるのかを具体的に解説します。
自分のペースで進めていけば、必ず「できる実感」が得られます。
このページでは、数学に焦点を絞って、なぜできないのか?どうしたら克服できるのかを提案していきたいと思います。
なぜ数学が苦手・できないと感じてしまうのか?
まずは、なぜ数学を苦手と感じたり、できないと感じてしまうのかについて考えていきます。
数学に苦手意識を持つ人は、とても多いです。
その理由には、共通するパターンがいくつかあります。
ここでは代表的な5つの理由を紹介します。
抽象的でイメージしにくいから
まず1つ目の理由は、数学がイメージしにくい内容を勉強していく科目だからです。
数学は、数字だけでなく「文字」や「記号」を使ったり、「関数」や「図形の証明」といった抽象的な概念を扱ったりします。
これらは普段の生活ではあまり使わない考え方なので、「何を言っているのかわからない」と感じやすいのです
たとえば「$x$」という文字が突然出てきて、「これが何を意味するのか?」が理解できないことがあります。
前の学習内容が身についていないまま進んでしまうから
2つ目の理由は、勉強のペースが速いということがあります。
数学は知識の積み重ねが大切な教科です。
小学校で習った計算や分数の理解があいまいなまま中学校に進むと、中学1年で学ぶ正負の数や方程式がわかりにくくなり、中2・中3の内容も難しく感じます。
前の内容をきちんと理解しないと、新しいことを学ぶ土台ができません。
解き方が1つではなく、迷いやすいから
3つ目の理由は、解法が1つに定まっておらず、様々な解法が存在するからです。
数学の問題には良くも悪くも複数の解き方が存在する場合もあります。
そのため、「どの方法で解けばいいのかわからない」「別の方法を覚えたけどどれが正しいか自信がない」と迷いが生じやすいのです。
この迷いは、問題を解く際のストレスとなり、苦手意識を強めることがあります。
数学的な思考法が身についていないから
4つ目の理由は、数学的な思考方法が身につく前に、学習がどんどん進んでしまうからです。
これは、2つ目の理由と並行する理由でもあります。
数学は「なぜそうなるのか」「どうしてその式を使うのか」と考える教科です。
しかし普段の生活で論理的に考える訓練が少ないと、数学の論理を理解しにくい傾向があります。
単に「答えを出す」だけでなく、過程や理由を考える習慣が身についていないことが、苦手の原因となります。
苦手意識そのものがハードルを高くしてしまうから
5つ目の理由は、苦手意識そのものが、数学の学習に対して心理的なハードルを高めてしまうからです。
「数学はできない」「自分には無理」という思い込みは、数学に限らず勉強においては最大の壁です。
勉強しようとしても、最初から「わからない」と思うとやる気が落ち、問題を解く前に諦めてしまいます。
この悪循環が、苦手意識をどんどん強めてしまいます。
数学ができない人がやってしまいがちなNG学習法
ここまでで数学を苦手と感じてしまう理由をお話してきましたが、1つでも当てはまるものはあったでしょうか?
数学が苦手な学生さんは、こういった意識改革も必要になりますが、もちろん勉強方法そのものを見直すことで少しずつ数学に対する苦手意識を改善していくことはできます。
ここからは、数学が苦手な人がついつい行ってしまいがちな勉強方法を示していきます。
数学の成績が伸びない人には、よくある共通の間違った勉強方法があります。
自分に当てはまるかどうか、ぜひチェックしてみてください。
解答を丸写しして満足してしまう
1つ目の間違った学習方法は解答を丸写しして、「満足」してしまう方法です。
「満足」というと少しイメージが難しいかもしれませんが、答えを見て問題の解き方を丸写しして、「勉強した気」になっていると言い換えることもできます。
時と場合によりますが、解答を見ることは間違った学習方法ではありません。
ポイントは、「勉強した気」になっているということです。
勉強した気になっているだけで、それだけでは自分の力にはなりません。
解答を見て学習する際は、なぜその解き方になるのか、自分で説明できるまで理解を深めることが重要です。
わからない問題を飛ばし続ける
2つ目の間違った学習方法はわからない問題を後回しにし続けている方法です。
「この問題は難しいから後でやろう」と何度も先送りにしていると、苦手な部分がどんどんたまってしまいます
苦手を放置すると、あとで復習が大変になるだけでなく、自信もなくなってしまいます。
ノートをきれいにまとめるだけで終わる
3つ目は、数学以外の科目にも当てはまりますが、ノートを「作る」ことに意識を向けてしまう方法です。
ノートをきれいに書くこと自体は悪いことではありませんが、それだけで理解したことにはなりません。
勉強の目的は「覚えること」ではなく「わかること」です。
理解が浅いままノートをまとめてしまうと、テストや試験のときに解けない問題が増えます。
問題集をとにかく量だけこなそうとする
4つ目は、問題集にとりくむ「量」だけを増やす方法です。
量をこなすのは大切ですが、わからないまま解くことを繰り返すと、根本的な理解は深まりません。
問題を解いたら必ず答え合わせをして、間違えたところを理解することが重要です。
そして、時には教科書や参考書に立ち返って、解法の手順を確認したり、公式に意味を考える時間を作ることも理解を深めるうえで重要になってきます。
数学を克服するための7つのステップ
上記では、数学が苦手な人がついやってしまいがちな勉強方法を示してきました。
では、数学の苦手意識を克服する方法はどういったものがあるのでしょうか?
この段階で、イメージができていなくても、あきらめる必要はありません。
多くの人が、正しい方法で少しずつ取り組むことで、数学への苦手意識を克服し、成績を上げています。
ここでは、具体的にどんなステップで進めばよいかを7つにまとめました。
ステップ1:基本の問題から取り組む
まず第1段階として、基本問題を丁寧に取り組むことです。
いきなり難しい問題に挑戦するのはおすすめできません。
まずは、教科書や基礎問題集の簡単な問題から取り組みましょう。
簡単に解ける問題で「できた!」という感覚をつかむことが、勉強のやる気につながります。
ステップ2:苦手な単元を振り返る
第2段階は自分が苦手とする断言はどこなのかを明確にしましょう。
苦手な原因は、過去のどこかの単元にあることが多いです。
今の単元がわからなければ、1つ前やさらに前の単元に戻って復習しましょう。
例えば、方程式が苦手なら正負の数の計算をもう一度確認するのが効果的です。
ステップ3:図や具体例を活用する
第3段階は、イメージしているものを図や具体例を使って、可視化・言語化することです。
抽象的な概念は、言葉だけでは理解しにくいものです。
図やグラフを書いたり、身近な例に置き換えたりして、視覚的にイメージをつかむことが大切です。
たとえば、一次関数のグラフを書いて変化の様子を見るなどが効果的です。
ステップ4:間違いを分析して記録する
第4段階は、間違いをしっかりと振り返るということです。
間違えた問題は、復習の宝物です。
できるようになるためには、できたところに自信を持つ以上に、間違えたところから学ぶことのほうがはるかに重要になります。
間違えた原因をノートに書き出し、どうすれば同じミスを防げるか考えましょう。
そうすることで、自分の苦手パターンを理解し、効率的に克服できます。
ステップ5:自分の言葉で説明する練習をする
第5段階は、自分の言葉で知識をアウトプットするということです。
理解度を確かめる方法のひとつに「人に説明すること」があります。
この方法は数学に限らず様々なことで非常に高い効果を出ている方法です。
家族や友達に、学んだことをわかりやすく話してみましょう。
説明できない部分は、まだ理解が浅い証拠です。
また、友だちに教えることで、自分の理解も深まるので勉強をしていくうえではおすすめです。
ステップ6:毎日少しずつ続ける
第6段階は、継続して勉強をすることです。
「継続は力なり」という言葉があるように、勉強をするうえで続けることはとても大切です。
毎日5分でも10分でも、短時間で構わないので勉強を続けてみてください。
少しずつでも続けることで、数学的な考え方や公式が自然と身についていきます。
ステップ7:得意なところを伸ばす
最後の段階は、得意な単元をしっかりと得点源にしていくということです。
苦手なところばかりに目を向けると、勉強がつらくなってしまい、モチベーションが上がりにくくなります。
自分の得意分野を見つけて、そこを伸ばすことも重要です。
得意な単元が増えると、自信がつき、苦手も克服しやすくなります。
小さな成功体験が「わかる」を育てる
実際に数学の苦手を克服するための7つのステップを紹介してきました。
行動ベースではこの方法が効果的だと筆者は考えているのでおすすめですが、もう1つ大切なことがあります。
それは、数学が苦手な人にとって、1番の味方は「できた!」という成功体験です。
たとえ簡単な問題でも、自力で解けたと感じる瞬間は、自信につながり学習意欲を高めます。
成功体験は、脳の中でポジティブな感情と結びつき、次の学習へのモチベーションを生み出します。
逆に「できなかった」という経験が続くと、やる気を失い、学習が停滞しやすくなります。
だからこそ、難しい問題に挑む前に、まずは自分のレベルに合った問題で確実に「できる」を積み重ねることが大切です。
また、小さな成功を重ねることで「数学は難しいけど、やればできるかもしれない」という前向きな気持ちが生まれます。
これは心理学で「自己効力感」と呼ばれ、学習の継続に欠かせない要素です。
成功体験を増やすためのコツは、「問題を絞ってじっくり取り組む」「1日の目標を小さく設定する」こと。
たとえば、「今日は3問だけ完璧にする」「この公式の意味を説明できるようになる」といった具体的で達成可能な目標を立てましょう。
そして、達成したら自分を褒めてあげることも忘れずにしてあげてください。
こうした積み重ねが、自信と理解力を着実に育て、やがては難しい問題にも挑戦できる力へとつながっていきます。
数学ができるようになると、世界が変わる
ここまでは、数学の苦手を克服する方法や考え方を提案してきました。
では、実際に数学ができるようになるとどのように物の見方が変わっていくのかを紹介していきたいと思います。
こういった例を知ってもらって、勉強のモチベーションに繋げてもらえると幸いです。
紹介していく前に、なぜこういったことを紹介するのかをお話するか説明します。
数学の力を身につけることは、単に学校の成績が上がるだけではありません。
数学ができるようになると、物事を論理的に考える力や問題解決能力が養われ、日常生活や将来の仕事でも役立ちます。
具体例を挙げると、買い物での割引計算や、時間と距離の関係を使ったスケジュール管理、家計のやりくりなど、数学的な考え方が役に立つ場面は意外に多いです。
また、理系だけでなく文系の仕事でも、データの読み取りや分析など、数学の知識があると情報を正しく判断しやすくなります。
さらに、数学的思考は「筋道を立てて考える力」を養います。
これは、どんな仕事や人生の問題に対しても応用できる大切なスキルです。
問題を小さな部分に分けて整理し、解決策を一つ一つ検討していくという方法は、数学の学習過程で自然に身につきます。
このように、数学を克服して得た力は、学校のテストだけでなく、自分の未来を切り拓く大きな武器になるのです。
体験談から学ぶ「克服できた人の共通点」
ここでは、今、数学に対して苦手意識がある人でもしっかりと克服できたという事例を紹介していきます。
この事例は、筆者が塾の講師をしていた際に実際に担当していた学生さんの事例になります。
数学が苦手だった学生さんの多くは、ある共通したポイントで変わり始めています。
ここでは、その共通点をいくつか紹介します。
1. あきらめずに継続した
苦手でも毎日少しずつ続けたことで、理解が深まりました。(中3男子学生)
2. 間違いを恐れず、失敗から学んだ
間違えた問題を放置せず、原因を探して対策しました。(高2女子学生)
3. 自分に合った勉強法を見つけた
人それぞれ理解しやすい方法は違います。
図を書いたり声に出したり、自分に合うやり方を工夫しました。(高3男子学生)
4. 小さな成功体験を大切にした
できた問題を増やすことで自信をつけ、苦手意識を減らしました。(中1男子学生)
5. 誰かに教えてもらったり、教えたりした
先生や友達の力を借りたり、逆に自分が説明することで理解が深まりました。(中3男子学生)
このような経験を持つ人たちは、苦手だった数学を「できる」教科に変えています。
今、数学に苦手意識がある学生さんも、これらのポイントを意識すれば、きっと変われるはずです。
今すぐ始められる!今日からの具体的行動プラン
最後に、今日からすぐに始められる簡単なプランを紹介します。
すべてを実行しなくても、まずは自分ができそうなものから実施してみてください。
1. 身近な問題を見つけて計算してみる
買い物の値段や料理の分量を計算してみましょう。
実生活で数学に触れる機会を増やすと、興味がわいてきます。
2. 1日5分だけ数学の問題を解く時間を作る
毎日続けることが何よりも大切。
短くても継続すれば効果は大きいです。
3. わからない問題はメモをとる
疑問をそのままにせず、ノートやスマホに書いておき、後で調べたり人に聞いたりしましょう。
4. できた問題をノートに記録する
成功体験を目で見て確認できるようにすることで、自信がつきやすくなります。
5. 周りの人に相談する
先生や友達、家族に「ここがわからない」と伝えるだけで、解決の糸口が見つかることがあります。
まとめ
このページでは、数学が苦手な学生さんに向けて、苦手に感じる理由やその克服の方法について提案してきました。
数学が苦手、嫌い、できないと感じているのは、あなただけではありません。
しかし、正しい学び方と少しずつの積み重ねによって、誰でも必ず「できる」に変わることができます。
抽象的な数学の世界も、焦らずに基本から理解し、成功体験を増やしていくことで、自信がついていきます。
継続することで、数学の力は確実に身につき、学校だけでなく、日常生活や将来のさまざまな場面で役立つでしょう。
ぜひ今日から、できることから始めてみてください。
小さな1歩でも全く問題ないので、「できない」側から「できる」側へ歩を進めていきましょう。
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