[このページのポイント]
■平面は空間上の任意の3点が決まると、平面の位置も確定する。
■空間図形において、2つの直線が交わらない位置関係のうち、平行でないものを「ねじれの位置」と言う。
平面図形の学習を終えると次に空間図形の学習が始まりますが、空間図形の問題については、算数の時から苦手と感じる学生さんも少なくなかったのではないでしょうか?
数学の空間図形は、算数の時の空間図形よりも知識も多くなり、より苦手に感じる学生さんも増えるものと思われます。
このページでは、空間図形で苦手意識を持たないように、空間図形の基本である平面や直線の位置関係と中学数学で初めて学ぶ「ねじれの位置」について説明していきます。
平面は3点あれば位置が定まる
まずは、平面と点の位置関係から説明していきます。
平面と点の位置関係で学ぶことはシンプルで、任意の空間に点がいくつあれば、平面の位置が定まるか?ということを学習していきます。
空間上の問題を考えているので、今から考えるのは3次元の話になるので、その点は予め認識しておきながら説明を見ていってください。
では、早速説明していきますが、結論からお話すると、任意の空間上に、任意の3点が存在すれば、平面の位置は定まります。
ここで言っていることがイメージしにくいという場合は、次のように言い換えるとイメージがしやすいです。
任意の空間上にある、任意の3点を通る平面は1つしかない。
これがどういうこと解説していきます。
空間上に点が1つだけ場合
始めに任意の空間上に任意の点が1点の時から考えていきます。
この時、空間上の任意の点を通る平面は無数に存在します。
このイメージは下記の図のようになります。
この図を見てもらって分かるように、平面がただ1点だけを通っていればいいため、様々な角度で平面を通過していればいいことになります。
そのため、1点を通過する平面は無数に存在することになります。
空間上に点が2つだけ場合
続いて、任意の空間上に任意の点が2点の時を考えます。
この場合も2点を通る平面は無数に存在しますが、1点の時に比べるとある程度の制限がかかっていると感じれるでしょうか?
下記の図を見ていただくとその制限のイメージが湧きやすくなると思います。
空間上の任意の2点を平面が通過しようとする場合は、任意の2点を結んだ直線を軸にして、1周分しか通過できるところがありません。
なので、やはり平面は無数に存在しますが、ある程度の制限の下存在することになります。
空間上に点が3つの場合
では、空間上に任意の3点がある場合を考えます。
結論は、上記で示した通りなので、そのイメージを図を用いて解説していきます。
空間上の3点を通過しようとする場合、2点しか存在しない場合の時と同様の考え方で考えていくと、任意の点それぞれを結んだ軸がまずはあります。
ですが、3点を通過するためには、3点で結ばれた三角形を通過しなければいけないことになります。
そのために、空間上の任意の3点を通過する平面は、必然的にこの三角形を通過する平面でなければならないため、ただ1つしか存在しないことになります。
ねじれの位置は言葉に引っ張られない
続いて、空間上の直線と直線の位置関係について説明していきます。
直線同士の位置関係では、中学の空間図形で初めて学ぶ「ねじれの位置」という関係性について学習していきます。
この「ねじれの位置」については、筆者が学生の頃、学校では「雑巾絞りのイメージで、ねじったら交わる位置関係」と教えてもらいましたが、非常にイメージが難しいものでした。
なので、空間上の直線同士の位置関係について説明した上で、「ねじれの位置」はどういった位置関係と考えるのがいいのかお伝えしていきます。
空間上の直線同士の位置関係は2種類
まず、空間上の直線同士の位置関係から説明していきます。
結論からお伝えすると、空間上の直線同士の位置関係は下記の2種類しかありません。
- 交わる
- 交わらない
直線同士が交わるという位置関係は比較的イメージしやすいと思われます。
交わることを簡単に言い換えれば、直線同士が交差していればいいのです。
では、直線同士が交わらない位置関係はどんなものがあるでしょうか?
これも2種類あり、まずは直線同士が「平行」の場合です。
そしてもう1つが「ねじれの位置」の場合です。
これらの関係性については、空間図形を用いて説明しながら、よりイメージを具体化していきましょう。
上記の図では、直線$l$と直方体があります。
ここで、直線$l$と各辺の位置関係を見ていくと
- $AB、BC、DA、AE、BF$は交わっている(上図の緑の辺)
- $CD、EF、GH$は交わらない(平行であるため、上図の紫の辺)
- $FG、HE、CG、DH$は交わらない(ねじれの位置であるため、上図の赤の辺)
ということになります。
つまり、ねじれの位置は直線同士の位置関係において、交わらない直線同士のうち、平行でないものと考えるといいでしょう。
平面と直線の位置関係は3種類のみ
続いて、平面と直線の位置関係になります。
平面と直線の位置関係はあまり難しくなく、3種類のみになります。
それぞれ、
- 直線が平面上にある
- 平面と直線が交わる
- 平面と直線が平行の位置関係(交わらない)
それぞれ図で説明すると、下記の図のようになります。
直線が平面上にある
平面と直線が交わる
特に、平面と直線が垂直に交わるときは
$P \perp l$
と表現できます。
平面と直線が平行の位置関係(交わらない)
平行の場合は、
$P /\!/ l$
と表現できます。
平面同士の位置関係は2種類のみ
最後に平面同士の位置関係になります。
平面同士の位置関係もあまり難しくなく、2種類のみになります。
それぞれ、
- 平面と平面が交わる
- 平面と平面が平行の位置関係(交わらない)
それぞれ図で説明すると、下記の図のようになります。
平面と平面が交わる
特に、平面と平面が垂直に交わるときは
$P \perp Q$
と表現できます。
平面と平面が平行の位置関係(交わらない)
平行の場合は、
$P /\!/ Q$
と表現できます。
まとめ
このページでは、空間図形の基礎の平面や直線の位置関係について解説していきました。
まだ計算問題なども出てきていないため、暗記しなければいけない公式などもありませんが、位置関係の問題の中でも「ねじれの位置」については、入試でも頻繁に出題される問題であります。
簡単な分野だからこそ、しっかりと知識を定着させることで、ケアレスミスやもったいない失点を減らせることができるので、この分野の学習については漏れがないように勉強をしていきましょう。
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