中学数学の図形の基本として、もう1つ、ここで学習する「図形の移動」というものがあります。
この学習分野は覚えることも少なく、ほとんど躓くことはない分野ではありますが、だからこそ基本をしっかりとマスターして、まずは平面図形の基本を身につけていってもらいたいところになります。
図形の移動は全部で3種類あるので、それを1つずつ解説していきます。
①平行移動
まず始めに「平行移動」から説明していきます。
平行移動のイメージは、全ての点が「同じ距離」、「同じ角度」で移動することです。
どういうことかは下記の図を見て、よりイメージを具体化してもらいたいです。
下記の図は三角形の平行移動を示しています。
学習を行うときは、方眼紙などを使うと実際に作図もできるのでイメージを定着させやすいと思います。
上記の図では、三角形の各頂点がそれぞれ同じ距離、同じ角度で移動しているのが分かるでしょうか?
より分かりやすくするために、上記の図に平行移動したした線を追加すると、下記のようになります。
これだと同じ距離、同じ角度で移動していることが分かりやすいと思います。
平行移動の注意点としては、移動先の図形が同じ形の図形に見えたときです。
パッと見ただけでは本当に平行移動した図形なのか判断するのが難しい場合があります。
三角形や四角形などの図形は、人によっては瞬時に判断できることもあるかもしれませんが、多角形になればなるほど判断が難しくになります。
その場合は、上記の図でも行ったように各頂点ごとに移動する前と移動した後を結んだ線を引き、どの頂点も同じ距離、同じ角度の移動になっているかで判断するといいでしょう。
平行移動は図形の移動の中でも簡単であるからこそ、丁寧に行って点数を落とさないようにしましょう。
②回転移動
続いての移動は「回転移動」です。
回転移動については、少し難しさを感じる人がいるかもしれません。
回転移動の考え方は、各頂点が「どれくらいの角度」で移動したのか?というように考えます。
この考え方は学習したての頃はイメージがしにくいところであり、平行移動と同じように考えてしまいがちな部分です。
ですが、回転移動については、各頂点が「同じ距離」を移動するわけではないので、平行移動ではないということです。
回転移動は下記の図のイメージです。
回転移動は、「回転の中心」となる点があり、そこを中心にして図形の各頂点が同じ角度で移動します。
よりイメージしやすくすると下記の図のようになります。
回転の中心は図中の赤い点です。
この点を中心に、各頂点が90°ずつ移動しています。
回転移動については、「回転の中心」と「角度はどの程度移動しているか」を捉えることができれば、回転移動で点数を落としてしまうことは少ないでしょう。
③対称移動
3つ目の移動は「対称移動」です。
対称移動のイメージは、鏡の中に写る鏡像のイメージです。
現実の世界のものと鏡の中に写っているものは、鏡を境に重ね合わせることができ、かつ鏡までの距離は同じ距離になります。
実際の対称移動は下記の図のイメージです。
対称移動の図は2つ折りに畳むとしっかりと重ね合わせることができます。
ここで、重ね合わせることができるように折れる箇所がありますが、ここを「対称の軸」と言います。
この対称の軸は、垂直に引かれるわけではない点に注意しましょう。
対称の軸は、平行線の場合もあるため、対称移動がどういった移動になっているかで判断するようにしましょう。
まとめ
このページでは、図形の移動について3種類紹介してきました。
移動の種類もそれぞれで覚えることも少ないですが、冒頭でも述べた通り簡単なところだからこそ、点数を落とさないように、ケアレスミスや作図ミスがないように注意して学習を進めて行きましょう。
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