[このページのポイント]
■0より大きい整数を正の数という。(例:1, 5, 107, ・・・など)
■0より小さい整数を負の数という。(例:-3, -24, -185, ・・・など)
■0は正の数でも負の数でもない。
■小数や分数でもない正の数を正の整数、小数や分数でもない負の数を負の整数という。
■正の整数のことを自然数という。
中学生で初めて学習する数学の世界は「正の数・負の数」です。
正の数の世界は、小学校の算数の学習内容だったので、負の数の概念が入ってきてもあまり抵抗感なく学習ができたという人も少なくないと思います。
ですが、この「正の数・負の数」の学習では、数学学習にも関わらず、いきなり様々な定義を覚えなければならないため、学習内容自体を整理するのに時間がかかった人もいるかと思います。
このページは、まず中学数学のスタート地点「正の数・負の数」のイメージを押さえて、数学学習で好スタートが切れるように説明をしていきます。
正の数・負の数のイメージ
まず始めに、しっかりと「正の数とは何か?」「負の数とは何か?」のイメージを固めていきます。
正の数・負の数の定義
正の数とは「0より大きい数」のことを言います。そして、負の数とは「0より小さい数」のことを言います。
例えば、1や5.2, $\frac{3}{5}$などの数を正の数となります。
そして、-3や-3.5, -$\frac{2}{7}$などの数は負の数となります。
つまり、0より大きい数は正の数となり、0より小さい数は負の数となります。
注意点として、「0」は含まないということです。
0は正の数?負の数?
ここで、ある疑問が生じます。
「0はなぜ正の数にも負の数にも含まれないのか?」
授業でそのように教わったから、「そうなのかぁ」と納得する人もいれば、「その答えでは納得いかないよ」と思う人もいると思います。実際、筆者は中学でこの知識に触れたときは、特に疑問に持たずある意味スルーしていた部分ですが、後に数学に興味を持ってこの知識に立ち戻ってみると、どちらにも属さないという曖昧さを疑問に思う人もいるだろうと感じました。
なぜ、0は正の数・負の数のどちらでもないのか?について考察をしていくのは、中学数学の学習範囲から飛び出てしまうので行いませんが、数学の世界で「0」はすごく特殊な数なので、正の数でも負の数でもないとしておくのが、都合がいいと一旦は解釈しておくといいでしょう。
※「0」が特殊な例として、0で割る(分母に0がくる)と答えがない。(解なし)としたものがあります。
正の整数と負の整数の定義
この学習範囲では、「正の数」「負の数」の他に、「正の整数」「負の整数」という言葉にも出逢います。
教科書や学校の授業でももちろんこの違いはしっかりと説明されています。ですが、教科書を読んだり授業を聞いただけではいまいち理解ができないこともあります。
でも安心してください。上記で説明した整数の定義と、正の数・負の数の定義をしっかりと理解できていれば、何も難しく感じることはありません。
おすすめの考え方は、「正の整数」「負の整数」はどういった数なのかを抑えた後で、「正の数」「負の数」を考えていく流れです。
まず、「正の整数」「負の整数」とはどういった数でしょうか?
これを考えるために、まず整数とはどんな数だったか確認しましょう。
整数は一般的な定義は「1、2、3、4、という数の連なり(自然数)と、0(ゼロ)、および負数(-1、-2、-3、-4、)を総称した言い方」とありますが、小学校の時は負の数の学習をしていないので、定義の前半の部分(1、2、3、4、という数の連なり(自然数)と、0(ゼロ)を総称した言い方)として学習していると思います。
※上記のような難しい言い方で学習はしていないと思います。おそらく、0, 1, 2, 3, 4,・・・などの数全体のこと。のようなイメージで学習していると思います。
上記の定義をもう少し噛み砕いた言葉で言い換えると、整数は「小数や分数ではない数」と言えます。こちらの方がイメージしやすいでしょう。
ここまで整数についてのイメージを持つと、「正の整数」「負の整数」のイメージがついたと思います。
正の整数は2や57, 492などの数であり、負の整数は-6や-42, -701などの数になります。
この数のイメージを抑えた後に、正の数と負の数のイメージを再度確認します。
すると、正の整数は正の数に、負の整数は負の数にそれぞれ含まれていることが分かりますね。
このイメージが難しい人は以下のイメージ図をみてください。
このイメージをいつでも引き出すことができれば、テストで正の整数って小数は含むんだったっけ?とか、負の数に0は入るんだっけ?みたいなことは無くなるので、まずはこのイメージをしっかりと身につけていきましょう。
自然数という新しい概念
ここまでは、小学校の算数の発展的な内容でしたが、ここから数学らしい概念が登場します。
それは「自然数」という概念です。
自然数とは「正の整数」のことを言います。
今までの学習内容が理解できていれば、これのどこが新しい概念なの?と思うかもしれませんが、この自然数という概念はこれからの数学学習では基本的な概念になり、高校その先の大学で数学を学んでいく機会がありますが、この概念が数学の基礎として抑えられていない人は、数学学習で躓く可能性があります。
改めての説明になると、自然数とは正の整数です。なので、
- 0は含まない
- 正の小数や分数は含まない
ということです。
今後、数学学習を進めていくと回答を自然数で答えなさい。という問われ方や、整数の範囲で答えなさい。など、回答の条件を設定されることがあります。
その際に、今回学習した内容が理解できていないと、間違った回答をしてしまうことになります。
数学の問題を解いていく上で、悔しい思いをすることの1つが解答手順も答えもあっているのに、解答方法を間違えたために、得点がもらえないということがあります。
学校の定期テストなら悔しいで終わりますが、入試でこういったことが出てくると、自分の進路にも影響を出しかねません。
なので、数学学習はしっかりと言葉の定義を理解していくことが重要になってきます。
例題
①この中の数を正の数と負の数で分けなさい。
29 -0.5 $\frac{8}{21}$ -30.4 -5$\frac{2}{3}$ 40.23
負の数:-0.5 -30.4 -5$\frac{2}{3}$
②この中の数で正の整数と負の整数はどれか答えなさい。
-47 17.3 $\frac{1}{3}$ 86 -33 -$\frac{5}{7}$ 0 11
負の整数:-47 -33
③この中の数で自然数はどれか答えなさい。
24 -35 -0.5 $\frac{6}{5}$ 19 0 20 -10 52
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