「理系科目ってなんだか難しそう」「覚えることが多くて面倒」と思っている学生さんはおそらく少なくないと思います。
かくいう筆者も学生の時は理系に進んでいましたが、本当に理系科目は難しく、公式の多さに参っていた時もありました。
このように感じるのはこのページを読んでいるあなただけではありません。
多くの中学生・高校生が、理系科目に苦手意識を抱いています。
けれども、苦手と感じている今こそが「スタート地点」です。
理系科目は、正しい方法で取り組めば、誰でも少しずつ得意になっていく科目です。
このページでは、まず「なぜ理系科目が苦手になってしまうのか」を一緒に見直し、次に「克服のためにできる具体的な学習法」や「モチベーションの維持方法」へとつなげていきます。
- 理系科目が苦手になる理由を知ろう
- 理系科目を得意に変えるための第一歩
- 見て理解する力を鍛えよう
- 理系科目の学習を続けるために必要なのは、気持ちの持続力
- モチベーションが下がる原因を知っておこう
- モチベーションを保つには「小さな成功体験」が必要
- 継続の力を高める「記録」と「視覚化」
- 理系科目の「楽しさ」に気づくと、勉強は続けられる
- 一人で頑張らない。仲間と取り組むことも力になる
- モチベーションを支えるのは「理系科目ができる自分」という未来
- 理系科目の学びは“今”だけじゃない。未来の選択肢を広げてくれる
- 理系科目が得意だと、入試や定期テストで大きなアドバンテージに
- 高校・大学・その先の将来で理系科目が活きる場面とは?
- 理系科目を通して「考える力」が身につく
- 理系科目が苦手だったからこそ、伝えられることがある
- 理系科目ができるようになった“自分の物語”をつくろう
- まとめ
理系科目が苦手になる理由を知ろう
苦手を克服するには、まずその原因を知ることが第一歩です。
理系科目がなぜ難しく感じるのか——そこにはいくつかの共通した理由があります。
思い当たることがあるか、あなた自身の経験と照らし合わせながら読み進めてみてください。
暗記科目だと思い込んでいる
理系科目というと、「覚えることが多い科目」というイメージを持っていませんか?
用語、公式、化学式、法則、生物の構造や分類……確かに覚える要素はたくさんあります。
しかし、理系科目を「覚えるだけの教科」だと考えると、どんどん苦手意識が強まってしまいます。
理系科目は本来、「なぜそうなるのか?」を理解する教科です。
暗記中心で進めようとすると、理解が追いつかず、ますます混乱してしまいます。
理系科目の学習では、公式や現象の仕組みを理解しながら、必要な部分を覚えるという意識に切り替えることが大切です。
基礎が抜けたまま進んでしまっている
もう1つの大きな原因は、「基礎を理解しないまま進んでしまっている」ことです。
理系科目は、単元ごとに内容が変わっていくように見えますが、実際は深いところでつながっています。
たとえば、物理分野の「力の合成と分解」は中1の理科で学んだ「力の向きと大きさ」の理解が土台になっています。
もし、過去に学んだ内容を「なんとなく」で終わらせていると、その後の応用問題がまったく理解できなくなってしまいます。
つまり、理系科目を克服するには、過去の内容に立ち返って、基礎を取り戻すことが不可欠なのです。
理系科目を得意に変えるための第一歩
苦手の原因がわかったところで、次は具体的に「何から始めればよいのか」を見ていきましょう。
理系科目の学習を効果的に進めるには、やみくもに問題集に取り組むのではなく、正しい順序と方法でステップアップしていくことが大切です。
ここでは、その第一歩として「教科書の活用法」から紹介します。
教科書を最大限に活用する
理系科目の勉強において、もっとも基本であり、もっとも効果的な教材——それが学校で配られている教科書です。
意外に思うかもしれませんが、苦手な生徒ほど、教科書を十分に読み込んでいないケースが多いのです。
教科書は「何を覚えるべきか」「どう考えればよいか」がコンパクトにまとまった教材です。
とくに、下記のようなポイントを意識して読むことで、理解がぐっと深まります。
- 図や写真を見ながら内容をイメージする
- 太字や赤字で書かれた用語を確認する
- 例題や実験の解説をノートにまとめてみる
教科書を読みながら「なぜこうなるんだろう?」と問いを立ててみると、理解がさらに深まり、自分で説明できる力もついてきます。
教科書レベルの問題を繰り返すことが近道
教科書を読んだら、次はその内容がしっかり身についているかを確かめるために、教科書に載っている基本問題や章末問題に取り組みましょう。
ここで大事なのは、「一度解いて終わり」にしないことです。
理系科目が苦手な人は、復習不足で知識があいまいになってしまっていることが多いです。
基本問題は、同じ問題を最低2〜3回繰り返すことで、本当に理解できたかが実感できます。
「答えを覚えてしまうのでは?」と思うかもしれませんが、それで構いません。
大切なのは、その答えがなぜそうなるのかを説明できるようになることです。
これが、苦手克服への確かな一歩になります。
見て理解する力を鍛えよう
教科書を読む・問題を解くというステップを踏んだら、次に取り組みたいのが「視覚的理解」です。
理系科目では、「目で見てイメージする力」が理解の決め手になることが多くあります。
特に数学の関数や図形問題、理科の物理や化学の分野では、図やグラフ、モデル図などを活用してイメージを固めることが効果的です。
図やグラフを自分の手で描いてみる
たとえば、光の反射や屈折の法則を理解するには、実際に光の進み方を図に描いてみるのが一番です。
また、力の向きや大きさ、化学変化の様子なども、矢印や図解を用いることで、頭の中の情報が整理されていきます。
授業で先生が黒板に書いた図をそのままノートに写しているだけでは、なかなか身につきません。
大切なのは、自分の言葉と手を使って描いてみることです。
手を動かすことで、知識が定着し、理解が深まります。
理系科目の学習を続けるために必要なのは、気持ちの持続力
ここまでで紹介した「教科書を活用した学習」や「図を描いて理解する方法」は、理系科目を理解するために非常に効果的です。
ですが、これらの学習法を日々実践していくには、「やる気」を維持する工夫も必要です。
そこでここからは、理系科目の勉強に対するモチベーションの保ち方と、学習を継続させる具体的な方法に焦点を当てていきます。
苦手を克服するには、続けることがカギになります。
モチベーションが下がる原因を知っておこう
理科の勉強を始めた当初はやる気があっても、しばらく経つと「今日は疲れたからいいや」「明日やればいいか」と感じることがあります。
これはごく自然なことですが、モチベーションが続かない理由を理解しておくと、気持ちを立て直しやすくなります。
「なんのために理系科目を勉強しているのか」が見えにくい
やる気を失いやすい最大の原因は、「目的がぼんやりしていること」です。
たとえば英語なら「海外旅行で使える」、現代文なら「日常生活で活かせる」といった明確なイメージが持ちやすいですが、理系科目はそうではないかもしれません。
だからこそ、理系科目を学ぶ目的を自分なりに考えることが大切です。
「テストで良い点を取りたい」「将来、医療や環境の仕事に関わってみたい」など、小さくてもいいので目標を意識しましょう。
モチベーションを保つには「小さな成功体験」が必要
目的意識を持ったら、次は行動に移すステップです。
とはいえ、いきなり長時間勉強しようとしても続きません。
ここでは、理系科目の学習を「無理なく続ける仕組み」を作る方法を紹介します。
「15分だけ」でも十分。最初の一歩を小さくする
人は新しい習慣を始めるとき、「完璧にやろう」と思うほど失敗します。
まずは、1日15分だけ理系科目に触れることから始めましょう。
短時間でも、教科書の1段落を読む、図を描いてみる、問題を1つ解く――これだけで「やった自分」を認めてあげるのです。
この積み重ねが、やがて「今日もやろう」「もっとできるかも」という感覚に変わっていきます。
ゴールを「単元」「用語」「問題数」で具体化する
勉強の目標は、なるべく数字や単位で表せる形にすると効果的です。
例えば
- 「今日は“水の状態変化”だけに集中する」
- 「重要語句を3つだけ覚える」
- 「化学変化の式を1つ暗記する」
- 「数学の公式の意味を理解する」
こういった具体的な目標は、「できた!」という達成感を感じやすくなり、モチベーションの維持にもつながります。
継続の力を高める「記録」と「視覚化」
小さな目標をクリアしたら、それを可視化することが継続のモチベーションになります。
ここでは、「自分の頑張りが目に見える工夫」について紹介します。
学習カレンダーやアプリで努力を「見える化」しよう
「毎日、何をどれくらいやったか」が見えると、人はやる気を出します。
おすすめの方法は以下の通りです。
- カレンダーに「〇」「✓」をつけていく
- ノートに日付・単元・気づきを記録する
- 勉強アプリで時間や単元を記録(例:Studyplus)
記録がたまっていくと「これだけ頑張ってきたんだ」と思えるようになり、自然と勉強が習慣になっていきます。
理系科目の「楽しさ」に気づくと、勉強は続けられる
ここまでで「やる気を生む仕組み」について紹介しましたが、もうひとつ大切なことがあります。
それは、理系科目の面白さに気づくことです。
理系科目を楽しいと思えるようになると、勉強は自然と続けられるようになります。
日常生活にある「なぜ?」を見つけてみよう
理系科目は、私たちの生活と深く結びついています。
普段何気なく見ている現象の裏には、科学的な仕組みがあります。
たとえば
- 炭酸飲料の泡はなぜ出るの?(化学)
- 雷が光った後に音がするのはなぜ?(物理)
- 花粉症ってなぜ起こるの?(生物)
- 雲の形が日によって違うのは?(地学)
- この2つの数の変化はどういう関係性があるのか?(数学)
こういった「疑問」を日常で見つけて調べることは、自発的な学び=理系科目への好奇心に変わっていきます。
YouTubeや実験動画で「体験的に学ぶ」
理系科目の楽しさをもっと感じたいときは、視覚・体験型のコンテンツも活用しましょう。
以下のチャンネルは、学生にも人気で分かりやすい内容です:
- とある男が授業をしてみた(中学理科の解説が充実)
- ヨビノリたくみ(高校理系の解説が丁寧)
- サイエンス倶楽部(楽しい実験動画)
こうした動画を見るだけでも、「理系科目って意外と面白いじゃん」という感覚が芽生えます。
一人で頑張らない。仲間と取り組むことも力になる
やる気を保つ上で、もう一つ重要なのが「人とのつながり」です。
勉強が続かないときは、一人で抱え込まずに、他人との関わりをうまく活用しましょう。
家族・友人・SNSを巻き込んで「アウトプット」しよう
人は誰かに話すことで、自分の理解を整理できます。
おすすめの取り組みは下記のとおりです。
- 勉強した内容を家族や友人に話してみる
- 友達とLINEで「理科クイズ」を出し合う
- SNSに「今日の学び」を1行だけ投稿する
誰かに伝えようとすることが、自分の記憶にしっかり残る「最強の復習法」になります。
モチベーションを支えるのは「理系科目ができる自分」という未来
ここまで、モチベーションを保ち続けるための方法を具体的に紹介してきました。
- 小さな目標で達成感を積み重ねる
- 学習記録で継続の力を育てる
- 理系科目を楽しいと感じる工夫をする
- 仲間と学ぶことで理解を深める
こうした工夫の積み重ねが、「勉強って思ったより続けられるかも」という前向きな気持ちにつながります。
でも、もっとも大切なのは、理系科目ができるようになった未来の自分を想像することです。
得意科目として理系科目を語れるようになったとき、あなたの進路や選択肢は確実に広がります。
理系科目の学びは“今”だけじゃない。未来の選択肢を広げてくれる
ここまでの話では、理系科目を苦手に感じていたとしても「正しい勉強法」と「小さな成功体験」でモチベーションを保ち、継続できることをお伝えしてきました。
ここからは、そうして理系科目を克服したその先、「理系科目が得意になることで広がる未来」について見ていきましょう。
勉強が「何の役に立つのか?」がわかると、やる気はぐっと高まります。
理系科目が得意だと、入試や定期テストで大きなアドバンテージに
モチベーションが続かない理由のひとつに、「理系科目の重要性が見えない」という声があります。
しかし実際は、理系科目が得意になると受験・内申・テストに強くなるという現実的なメリットがあります。
中学では定期テスト+内申点で差がつく
中学生の場合、理系科目の成績はそのまま内申点に大きく影響します。
高校入試の多くは、当日の試験点と内申点の両方を重視するため、理系科目の点数が安定して取れると受験で有利になるのです。
しかも理系科目は、社会と比べて文章解答が少ない分、ペーパーテスト対策がシンプルです。
用語、計算、図解、因果関係をバランスよく理解していけば、点数に反映されやすい科目なのです。
高校受験や中高一貫校の内部試験でも重視される
特に難関校や理系進学志向のある学校では、理系科目が差になることが多いです。
理由は簡単で、「理系科目の学力=論理的思考力」と捉えられているからです。
公式をただ暗記するのではなく、「なぜその結果になるのか?」を言語化できるようになることが、入試の記述式問題にも通じます。
高校・大学・その先の将来で理系科目が活きる場面とは?
「理系科目を得意になっても、将来それが役立つとは限らない」と思っていませんか?
実は、理系科目が活きる場面は、医療・工学・食品・農業・環境など、あらゆる職業や大学分野に広がっています。
医学・薬学・看護系などの専門職
理系科目が必要とされる代表的な進路のひとつが、医療・看護系です。
これらの分野では、数学や生物、化学の基礎知識が不可欠です。
人体のしくみ、薬の働き、遺伝や細胞の構造などは、全て中学・高校の理系科目とつながっています。
将来、医療に関わりたいと考えているなら、今の理系科目の学びがそのまま土台になります。
工学・建築・AI・ITなど理系分野への入口
物理が得意だと、将来の可能性は一気に広がります。
電気やエネルギーの仕組みを学ぶことは、エンジニアやインフラ系の職業に直結しますし、ロボット工学やプログラミングにも基礎的な数学や理科の理解が必要です。
近年注目されているAIやIoTの分野でも、論理的な思考や数理的な視点が求められており、理系科目を学ぶことで未来の産業に関わる力を身につけられます。
食品・農業・環境保全の分野でも理科は活きる
理系科目は、「命」「地球環境」「持続可能な社会」を考えるうえでも重要です。
食品の安全性や、農業の効率的な育成技術、地球温暖化や自然災害のメカニズムを理解するには、理系科目の知識が基礎になります。
たとえば、気候変動に関心がある人なら、地学や環境化学は大きな力になります。
「人と自然をつなぐ役割」が理科にはあるのです。
理系科目を通して「考える力」が身につく
進路の選択だけでなく、理系科目を学び続けると、実はどんな分野でも役立つスキルが育ちます。
それが、「論理的思考力」「仮説と検証の姿勢」「原因と結果のつながりを捉える力」です。
問題の本質を捉える力が育つ
理系科目では、ただ公式を当てはめるだけではなく、「なぜこうなるのか?」「他の条件ではどうなるか?」と考える力が求められます。
この問い直す力こそ、社会人になってからも通用するスキルです。
営業・企画・分析など、職種に関係なく、論理的に物事を考える姿勢はあらゆる仕事で求められます。
どんな職業でも役立つ「考える習慣」へ
たとえば、
- 「なぜ売上が落ちたのか?」を分析するマーケティング
- 「エラーが起きた原因は何か?」を調べるエンジニア
- 「人の行動のメカニズム」を研究する心理学者
理系科目で身につく考え方は、文系・理系問わず、あらゆる現場で役立つ地頭の力になります。
理系科目が苦手だったからこそ、伝えられることがある
ここまで読んで、「理系科目って意外と奥が深い」「役に立つ場面が多い」と感じたかもしれません。
そしてもしあなたが今、「理系科目は本当に苦手で勉強したくない」と思っているなら……それも大丈夫です。
苦手だった経験こそ、将来の強みに変わる
最初から得意だった人にはわからない、「苦手を克服する努力」は、将来必ず誰かの役に立ちます。
たとえば、あなたが先生や教育に関わる仕事を目指したとき、「どうすれば理系科目を好きになれるか?」という自分の体験が、後輩や子どもたちの力になります。
苦手だったことを乗り越える経験は、ただの点数以上の価値を持つのです。
理系科目ができるようになった“自分の物語”をつくろう
理系科目は、最初はわからないことが多くて、つまずくこともたくさんある科目です。
でも、「理解できた!」という一瞬の気づきや、「問題が解けた!」という小さな成功が積み重なると、いつのまにか、理系科目が自信に変わっていく瞬間が来ます。
それは点数だけでなく、「自分にはできる」という気持ちを育ててくれます。
今日から、自分の“克服ストーリー”を始めよう
理系科目を苦手と思っていたあなたが、正しい方法で学び、モチベーションを保ち、いつか「理系科目って面白い」と感じられるようになる。
そんな未来は、決して遠い話ではありません。
あなた自身が、自分の「理系科目の克服ストーリー」の主人公になってください。
まとめ
このページでは理系科目が苦手な学生さんに向けて、苦手な科目への向き合い方や勉強を続けるためのコツなどをお話してきました。
改めて、このページで紹介したことの要点をまとめると下記のようなポイントがありました。
- 理系科目は暗記だけでなく、「意味を理解すること」が大切
- 小さな目標と習慣化で、無理なく勉強を続けられる
- 理系科目を学ぶと、進路・将来・社会とのつながりが見えてくる
- モチベーションが続かなくても、「できた」経験が支えになる
- 苦手だったからこそ伝えられる価値もある
あなたが「理系科目を得意科目にしたい」と思うその気持ちが、すでに克服のための一歩目になっています。
焦らず、一歩ずつ、自分のペースで進んでいきましょう。
コメント