高校生になると、理科は各学問ごとに分かれて、それぞれの学問単位で学習を行っていきます。
物理はその1つであり、大学進学を考えている人の中では、理学部や工学部、医学部などに進学するを検討している人が選択する学習内容になります。
そして物理は計算問題が中心となるため、学習方法を間違えてしまうと十分に試験に対応するだけの知識がつきにくい科目でもあります。
そこで、このページでは物理の学習のおすすめ方法とその理由を解説していきます。
結論からお話すると、筆者は作図による状況分析と、基本問題の繰り返しをおすすめします。
ここからこれらの学習方法をおすすめする理由を説明していきます。
作図による状況分析をおすすめする理由
まずおすすめの学習方法として、「作図による状況分析」を挙げます。
物理は日常生活における、様々な物理現象を簡略化した設定の中で解析していく学問になります。
そのため、問題文の文章だけ読んで解答を始めようとすると、ミスを引き起こしてしまいやすくなります。
その理由は、問題文に書かれていない要素を考える必要がある場合があるからです。
例えば、物体の運動の内容の斜方投射の問題を考えるときは、物体の速度を鉛直方向と水平方向に分解して問題の解答を進めていくことになります。
問題文では物体の速度を$v$、射出角度を$θ$と設定されることが多いですが、作図をせずに進めようとすると、速度の垂直成分と水平成分を間違えてしまうことがあります。
そのため、作図をした上で、自分が今考えている部分はどの部分を考えているのかを視覚的に認識させる必要があります。
こうすることで、自分の理解が進みやすくなる上、解答のミスを減らせるようになります。
そして、作図を使った学習方法は、高校に限らず大学に入っても使える学習方法です。
実際に大学の授業でも、多くの先生は作図をした上で問題の状況を整理して解説をしてくれますし、より複雑な状況であればあるほど、作図の効果は大きくなります。
それだけ、作図をして問題の状況を把握するということは重要だということです。
実際の作図の方法
では、作図をして問題に取り組むとした場合、どの程度の作図をするといいのでしょうか?
結論は、問題の状況が分かる程度で大丈夫です。
先ほど説明した物体の運動の場合は、球の運動で考えることが多いので、作図自体は簡単に済みますが、波の問題(音や光)だと、丁寧に作図しすぎると、作図だけで時間がかかってしまいます。
なので、光源やスリットなど作図自体に時間がかかるものは、問題が解けるのに十分な情報を書き込んで状況が分かる程度の作図で問題ありません。
なので、物理を学び始めたばかりの際は、作図の内容が多く、時間がかかってしまう場合も考えられますが、問題の状況を正しく把握することと、正しい知識をつけるためと思って、丁寧にやっていきましょう。
物理の問題の考え方に慣れてくれば、問題の考え方も身についてきて自然と作図自体を簡略化できるようになっていきます。
基本問題の繰り返しをおすすめする理由
次に、基本問題を繰り返し学習する方法を挙げています。
これは人によっては物理だけに限った話ではないとは思いますが、物理初学者の人は基本問題を繰り返す意味は大いにあります。
その理由は、物理の問題は基本問題から状況を複雑にしていくのが多いからです。
模試や統一テストの各大問の(1)は教科書や問題集の基本問題に出てくるレベルの基本的な問題が多いですが、問題を解き進めると例えば電気回路の問題だと、並列回路の先にもう1つ並列回路を作ったりと、問題の状況が複雑化していきます。
そうなると途端に考え方が分からなくなってしまう人も出てきますが、上記の回路の問題では新しく追加された並列回路の部分だけ切り取って考えれば、何も難しくない問題になります。
もちろん色々な問題と向き合った先に、応用問題の解き方を学んでいくということもできますが、物理で安定した点数を取る、もしくは各問の(1)と(2)は落とさないようにしたいということであれば、基本問題を繰り返して学習する方法でも十分です。
基本問題はどの程度の問題をすればいい?
基本問題を繰り返す学習方法ですが、教科書の問題だと少し簡単すぎる場合があります。
なので、繰り返し学習する場合は、学校で購入した問題集や自分に購入した市販の問題集を繰り返すことをおすすめします。
問題集を繰り返すメリットは、様々な問題の基本的な考え方を身につけることができるため、模試や統一テストの過去問も慣れてくれば解けるようになるということがあります。
そして、繰り返し学習するペースはなるべく早く学習サイクル回すことをおすすめします。
物理の各分野をじっくり学習して知識を刷り込んでいく方法もありますが、学習内容が多いだけに、その学習方法だと前半に学習した内容を忘れてしまいやすくなります。
なので、なるべく早くサイクルを回して、繰り返しの回数を増やすということに比重を置くのがポイントです。
ですが、注意点もあります。
繰り返すことが目的になってしまって、学習の内容を定着させることが疎かになってしまうと元も子もありません。
そのため、繰り返し学習しても毎回間違ってしまう問題は、今一度教科書に立ち返ってみて考え方を復習したり、問題集の解答解説を読み込んで、理解に時間をかけるという方法も臨機応変にやっていきましょう。
応用問題はいつからする?
基本問題を繰り返す方法は点数を安定させるためには効果的な学習方法ですが、点数を伸ばすために応用問題はいつからするのがいいでしょうか?
応用問題を始めるおすすめのタイミングは、
- 基本問題のミスがなくなったら
- 試験の1〜2週間前
です。
まずは、基本問題のミスがなくなったら応用問題に取り組んでみてもいいでしょう。
基本問題でミスがなくなったレベルなら基本的な知識や考え方が十分に身についていると考えられます。
このレベルに来ると、応用問題の状況把握もあまり苦戦せずにできるようになりますし、もし解答が全くできなくても、解説の内容を理解していくことも難しくないでしょう。
そして、もう1つのタイミングは試験の1〜2週間前です。
基本問題が理解しきれていなくても、試験の1〜2週間前には1、2回応用問題に目を通しておくことも大事です。
基本問題が理解しきれていないから、応用問題を捨てるのではなく、応用問題でも理解できている部分の内容の可能性もあります。
なので、試験前は応用問題にも挑戦してみる価値はあります。
ただ、いずれのタイミングでも、頻繁に応用問題で間違えてしまう場合は、基本問題に立ち返るように意識はしておきましょう。
応用問題が解けないから、その問題ばかり取り組んでしまうと、どうしても解答を覚えてしまい、内容を理解するということから離れた学習になってしまいます。
なので、できない時が続く場合は潔く諦めて基本問題に戻るという意識を常に持っておくようにしましょう。
まとめ
このページでは、物理のおすすめの学習方法とその理由について解説していきました。
物理が苦手な人も、このページを読んでいる人の中にはたくさんいるかもしれませんが、物理は高校生になってから学習を始めているため、スタートラインはどの学生さんも同じでした。
なので、理解できないからと焦る必要はありません。
ここで紹介した学習方法を参考にしながら、自分にあった学習スタイルを確立していき、丁寧に知識を身につけていけば、物理が得意な人と大きく点数が開くことはありません。
丁寧に学習を進めることを意識しながら、学習を進めていきましょう。
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