【文字式の計算②】一次方程式の基本的な計算をマスターする

【文字式の計算②】一次方程式の基本的な計算をマスターする 中学数学

[このページのポイント]

■文字の前についている数を「係数」という。
■文字がない、数だけの部分を「定数項」という。
■一次方程式の計算は、先に定数項を移項して、最後に係数部分の処理を行う。

一次方程式において、基本となる「移項」と計算方法について、既に解説しました。ですが、全ての一次方程式で文字に数がついていないとは限りませんし、より複雑な計算が出てくる場合の方が多いです。

ここでは、より一般的な一次方程式の計算方法について解説していきます。一次方程式の基本的な計算方法について、まだ理解しきれていないという人は、下記のページを今一度確認してこのページで解説している内容を学習していきましょう。

一次方程式の基本形

一次方程式の基本形

一般的な一次方程式の計算方法を解説していく前に、一次方程式の基本形から説明していきます。

数学の学習では、今後「基本形」や「一般形」などと言われる式の形が出てくることがありますが、これは問題の条件で式の形は変わってきますが、どんな条件でも式の形は「基本形」または「一般形」と呼ばれるものになりますよ。というものです。

なので、この「基本形」または「一般形」と呼ばれる形を理解しておくことは、学習の理解の第一歩になります。

では、一次方程式の基本形はどんな形なのでしょうか?下記の形が一次方程式の基本形になります。

$ax+b=c  (a≠0) $

ここで、$x$の前の数を「係数」と言います。そして、$b$を「定数項」と言います。

上記の一次方程式の基本形を見ると、文字$x$の係数$a$は0でない数となります。なので、0以外の整数が入ります。

そして、定数項の部分(上記の基本形では$b$の部分)は特に条件が設定されていません。そのため、0になっても問題ありません。

この基本形が一次方程式を理解していく上でのスタートラインになるので、まずはこれをしっかりとおさえましょう。

厳密に言えば、上記の基本形は正しい基本形ではありません。(右辺にも文字が含まれる項があってもいいからです。)
ですが、ここでは理解を進めやすくするため、上記のように記載しています。

では、ここまでの内容をおさえた上で、一次方程式の計算を見ていきましょう。

 

一次方程式の計算

一次方程式の計算

それでは、一次方程式の問題を解説していきます。

このページでは、3種類の問題を解説していきます。それぞれ基本的な問題の解き方になるので、丁寧に理解を進めていきましょう。

①文字に係数がついている場合

まず1種類目は、文字に係数がついている場合を考えます。文字に係数がついている場合は、先に定数項を移項してから、最後に係数の処理を行なっていきます。

例:$2x+8=12$

$2x+8=12$
$2x=4$
$x=2$

上記が実際の計算になります。

まず、左辺にある定数項(上記の問題では8)を右辺に移項し、右辺は4となります。そして、左辺に残った文字の項の係数を処理します。

係数の処理の方法は、「係数にかかっている数で、両辺を割る」ということをします。

上記の問題では、$x$の係数は2であるため、両辺を2で割ります。そうすると、左辺は$x=$の形になり、右辺は$4÷2=2$となるため、$x$は2と解けるわけです。

②文字の係数が負の数である場合

次に文字の係数が負の数の場合を考えていきます。基本的な考え方は①と変わりありませんが、最後に両辺を係数で割る際、負の数で割るので符号に注意をしましょう。

例:$-3a-5=-17$

$-3a-5=-17$
$-3a=-12$
$a=4$

上記が実際の計算になります。

まず、左辺にある定数項(上記の問題では-5)を右辺に移項し、右辺は-12となります。そして、左辺に残った文字の項の係数を処理します。

係数の処理の方法で注意があります。今回の問題は$a$の係数が-3であるため、両辺を-3で割ることになります。

負の数で割るため、符号が変わる可能性に注意しなければなりません。

そして、この問題では、左辺の係数は-3であるので、左辺は負の数÷負の数であり、$a$の係数は正の数になります。また右辺も今回はたまたま負の数÷負の数ですので、右辺の係数も正の数になります。

文字の係数が負の数の問題も今後は当然のように出てきますので、こういうところで絶対に間違えないという心持ちで計算ができるようにしていきましょう。

③文字の係数が分数の場合

最後に文字の係数が分数の場合を考えていきます。

こちらも基本的な計算の方法は①と変わりありませんが、計算に慣れるまでは分数の処理は1つ1つ丁寧に進めていくことをお勧めします。

例:-$\frac{3}{4}x$$+5=-15$

-$\frac{3}{4}x+5=-15$
-$\frac{3}{4}x=-20$
$-3x=-80$
$x=$$\frac{80}{3}$

分数が係数にあるときは上記のような処理になります。流れは、係数の分数の分母の数を両辺にかけて、係数を整数の形にします。係数が整数の形になったらあとは上記①もしくは②の方法と同じ流れになります。

上記は丁寧に行なった場合ですが、計算に慣れてきたら、係数の逆数(上記の例題の場合は-frac{4}{3})を両辺にかけるという方法でもいいです。

計算に慣れてくれば、逆数をかけるという方法が圧倒的に計算は早いですが、慣れないうちにやるのはお勧めしません。(計算ミスを引き起こしやすくなるため)

ここまでで解説した3種類のパターンをしっかりと理解し計算ミスがない状態までなったら、一次方程式の計算はほとんど完璧です。

 

まとめ

このページでは一次方程式の基本形から一般的な計算の基本まで説明していきました。

このページで説明したことは今後の数学の問題を解いていくにあたって、最もベースとなる考え方になりますし、ここの内容が理解できないと、この先のどの分野の問題でも計算の部分で躓いてしまいます。

なので、ここの分野の計算でミスがまだ多いという人はしっかりと計算練習をして、ミスをなくせるように努力していきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました