自分の普段の生活の中で、学校で勉強する数学の知識が使われている、もしくは使えるシーンを考えるのは少々難しく感じると思います。
筆者も学生の時は、今勉強している知識が身の回りのものに応用されている例を集めてみましょう。という課題が出たことがありますが、なかなか思いつくことができずに、結局インターネットで調べたという記憶があります。
それほどまでに、中学からの勉強は勉強していることが日常に落とし込める実感がなく、何のために勉強をしているのか?と疑問を持たざるを得ないことも多いと思います。
特に、数学の勉強はその感情を他の強化に比べて強く感じる人もいるかと思います。
ただ、志望校に合格するだけの勉強では、モチベーションに繋がらないと思うので、このサイトでは数学の学習内容が日常生活の中でどのように活かされているかも紹介していきます。
今回は、中学数学で学習する「比例」について、その例を紹介していきます。
「比例」は、数学の中でもとても基本的な考え方のひとつです。
そして、ある量が増えると、それに合わせてもう一方の量も増える、という関係は、実は私たちの身の回りにたくさん存在しています。
たとえば、ジュースの値段、時間と距離の関係、さらには料理のレシピにまで関わっています。
このページでは、この「比例」の考え方が日常生活の中でどのように使われているのか、また将来の仕事ではどのように役立つのかについて、わかりやすく紹介していきます。
実例を知る前に、勉強内容としての比例をしっかりと理解を深めたいという方は、下記のページで解説しているので、ぜひ見てみてください。

比例の関係の復習
本題に入る前に、簡単に比例の関係について復習しておきます。
比例とは、「ある量が2倍になると、それに対応する別の量も2倍になる」ような関係のことです。
つまり、「増え方や減り方が同じ割合で変わる関係」のことを言います。
たとえば、1個100円のりんごを買うとき、2個で200円、3個で300円、4個で400円になります。
このように「買った個数」と「合計の値段」が比例しているのです。
比例の関係を式で表すと、「$y=ax$」の形になります。.
ここで「$a$」は比例定数と呼ばれ、「$x$が1のときの$y$の値」を表します。
この考え方は、数字だけでなく、図やグラフでも理解できます。
比例のグラフは、原点(0,0)を通るまっすぐな直線になります。
これを頭に入れておくと、比例の問題がぐんとわかりやすくなります。
日常生活にひそむ「比例」の考え方
簡単ではありますが、比例の関係について振り返ったので、ここからは本題の日常生活で比例の知識や考え方が利用されている事例を紹介していきます。
結論からになりますが、比例の考え方は、日常生活のさまざまな場面で役立っています。
下記に例を挙げていきます。
スーパーでのお買い物
1つ目の例は普段の買い物の例です。
買い物をするとき、「1個100円だから3個で300円」というように、商品の個数と値段の関係が比例しています
特売のときに「100グラムあたり○円」という表記を見ることがありますが、これも「グラム数」と「値段」が比例しているからこそ、どれくらい買えばいくらになるのかがすぐに計算できます。
料理のレシピ
2つ目の例は料理における例です。
料理を作るときにも比例の考え方はとても重要になります。
たとえば4人分のレシピで「しょうゆ大さじ2、みりん大さじ1」と書いてあったとき、2人分に減らす場合は材料もすべて半分にします。
つまり、「人数」と「調味料の量」が比例しているわけです。
距離と時間の関係
3つ目の例は移動に関する例です。
歩く速さが一定のとき、「歩いた時間」と「進んだ距離」は比例します。
たとえば、1時間で5km歩く人なら、2時間歩けば10km、3時間で15kmとなり、これも比例の関係です。
電車やバスの移動も同じで、距離と時間の関係を頭に入れておくと、スケジュールを立てるときにとても便利です。
比例を使った工夫の仕方
日常生活で比例の関係について活かされている例を紹介しました。
ここからは、自分たちでもできる比例の関係を日常生活で応用する方法を紹介していきます。
比例の考え方は、意識すればもっと多くの場面で見つけることができます。
水道料金や電気代の計算
1つ目の例は公共料金の計算における応用例です。
多くの公共料金は「使った量に比例して金額が決まる」仕組みになっています。
たとえば、水を使えば使うほど料金が増えるのは、「使用量」と「料金」が比例しているからです。
電気代も、使った電力量(kWh)に比例して料金が加算されることがほとんどです。
最近は電気代や水道代も高くなっているので、過去のデータと比較すればその違いは一目瞭然です。
こういったものを自由研究のテーマにしてみるのも面白いかもしれませんね。
SNSや動画のデータ通信量
2つ目の例は、データ通信量における応用例です。
最近は中学生もスマートフォンを持つ割合が多くなっていると思います。
もし、今手元にスマートフォンがあれば、自分の通信量を見てみてください。
どれくらい使用しているでしょうか?
スマートフォンで動画を見たり、音楽を聞いたりするとき、その時間に比例してデータ通信量が増えます。
たとえば、1分で10MB使う動画なら、10分見れば100MB、30分で300MBと、時間と通信量は比例関係です。
これを知っていれば、どのくらい使ったらどれくらいの通信量になるか、予測して使いすぎを防ぐことができます。
バイトや仕事の給料
3つ目の例は、アルバイトやお仕事における給料への応用例です。
将来アルバイトをしたり、仕事をするようになると、時間給で給料が支払われることが多くなります。
たとえば、時給1,000円なら、1時間働いて1,000円、2時間で2,000円、3時間で3,000円というように、働いた時間と給料が比例するのです。
この考え方がわかっていれば、自分がどれくらい働けばいくらもらえるのか計算できて便利です。
将来の仕事で活かされる「比例」の考え方
ここまでで日常生活における比例の知識や考え方が使われている例や、自分でもできる応用例を紹介していきました。
ここからはこの比例の知識や考え方が将来のお仕事でどのように活かせるかを紹介していきます。
比例の知識は、将来のさまざまな職業でも役に立ちます。
1つずつ見ていきましょう。
建築や設計の仕事
1つ目の例は、建物や構造物の建設や設計に関するお仕事の例です。
建物を設計する建築士や、模型を作る人たちは、「縮尺」という比例の考え方を使います。
たとえば、実際の建物の100分の1のサイズで模型を作るとき、すべての長さや高さを同じ割合で小さくする必要があります。
これはまさに比例の考え方そのものです。
ファッションデザイナー
2つ目の例は、服飾のお仕事における例です。
服を作るときも、サイズを大きくしたり小さくしたりする場面で比例の考え方が活かされます。
たとえば、あるデザインをSサイズからLサイズに変更する際、生地の長さや幅を一定の割合で変えることで、元のバランスを保ったまま大きさだけを変えることができます。
エンジニア・プログラマー
3つ目の例は、IT業界における設計や開発のお仕事の例です。
コンピュータを使う仕事でも、データの処理時間や、作業量に応じたリソース(パソコンの性能など)の必要量が比例関係になることがあります。
効率よくシステムを設計するには、こうした比例の理解が重要です。
カメラマンや映像制作の仕事
4つ目の例は、少しイメージが難しいかもしれませんが、映像系のお仕事の例です。
映像を撮るとき、ズームの倍率と映る範囲の広さは反比例(比例と関係する反対の考え方)になりますが、光の量や露出といった要素では、光の強さと映像の明るさが比例関係になる場面があります。
比例の考え方が画づくりに活かされているのです。
まとめ
このページでは、比例の関係が日常生活で活かされている例や自分でもできる応用例、将来のお仕事で活かされている例を紹介していきました。
ここまでの紹介で理解してもらえたと思いますが、「比例」は、ただの数学の知識ではありません。
私たちの生活の中で、買い物、料理、移動、スマホの使用、仕事にまで、あらゆる場面で役に立っています。
そして将来、建築、ファッション、IT、映像などさまざまな職業でも必要とされる重要な考え方です。
中学1年で学ぶ比例の考え方は、社会に出てからもずっと役立つ実用的な知識です。
今のうちにしっかり身につけておくと、きっと未来の自分の選択肢もどんどん増えていくので、コツコツと基本から知識や考え方を積み上げていきましょう。
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