中学数学で突然登場してきた文字式ですが、一次式や一次方程式を勉強していくと、文字式がいかに有効かを実感することと思います。
ですが、一次式や一次方程式は数学以外の場面でその知識や計算力を活用することはあるのか?と疑問に思うことも同時に出てくると思います。
そういった疑問は多くの人が持つものでありますし、実際に筆者が学習塾でアルバイトをしていた時も同じような疑問を質問されたこともあります。
なので、このページでは一次式や一次方程式の知識や計算が日常生活でどのように活かすことができるかを紹介していきたいと思います。
日常生活で活かされている事例を知る前に、勉強の知識として一次式や一次方程式をしっかりと復習したいという方は、下記のページで一次式や一次方程式について解説しているので、このページを読む前に下記のページを振り返ってから読んでみてください。

一次式ってどんなもの?
本題に入る前に、簡単に一次式と一次方程式について振り返っておきたいと思います。
まずは一次式がどんなものかを振り返っていきます。
一次式とは、$x+3$や$2x-5$のように、文字が1つだけで、その文字の次数が1の式のことです。
たとえば$x$は$x^1$なので一次式になります。
$x^2$が入っている式は一次式ではありません。
では、この一次式がどんな場面に登場しているか見てみましょう。
たとえば、パンを1個150円で買うとき、$x$個買ったら全部でいくらになるかは、
$150x$
と表せます。
これはまさに一次式です。
また、電車に乗るときの運賃が「初乗り200円+1駅ごとに100円」の場合、$x$駅乗ったときの運賃は
$200+100x$
と表せます。
これも一次式です。
このように、「何かを変化させるときの計算」や「合計を求めるときの計算」に、一次式は自然に登場しているのです。
一次方程式って何?
続いて一次方程式について考えてみましょう。
一次方程式とは、$2x+3=9$や$x-5=12$のように、未知の数($x$など)を含んだ式で、文字の次数が1の方程式です。
方程式は、ある数を求めるための道具として使います。
たとえば、文房具屋さんでノートを3冊買って全部で450円だったとします。
ノート1冊の値段がわからないとき、それを$x$円とおいて、
$3x=450$
という方程式を立てます。
この式を解けば、ノート1冊の値段が求められますね。
このように、「わからない数を求めるとき」「条件をもとに計算したいとき」に一次方程式はとても役に立ちます。
これは買い物だけでなく、レシピの分量調整や交通費の計算、クイズの答えを出すときなど、いろいろな場面で使えます。
実際の生活での活用例
ここまで一次式と一次方程式について簡単に振り返っていきました。
では、実際にこれらが日常生活でどのように活かされているかを紹介していきます。
①:買い物で役立つ一次式と一次方程式
一次式や一次方程式が生活で活きる代表的な場面は「買い物」です。
例1:合計金額の計算(一次式)
おにぎりを$x$個、1個120円で買ったときの合計金額は
$120x$円です。
この式は買う個数が変わるたびに計算し直す必要がありません。
例2:合計金額から個数を逆算(一次方程式)
「ある日、おにぎりと飲み物を買って、合計で480円でした。飲み物は150円。おにぎりは1個120円。このとき買ったおにぎりの数は?」
式にすると、
$120x+150=480$
これを解けば、$x=2$とわかり、「おにぎりを2個買った」と答えられます。
このように、一次式は「計算の省略」に、一次方程式は「わからない情報を見つけること」に使われています。
どちらも、私たちの生活をよりスムーズにしてくれる便利な道具なんですね。
②:時間や距離の計算にも活用
他にも日常生活で活かせる一次式や一次方程式は、「時間」や「距離」に関する場面でも活躍します。
例1:距離の計算(一次式)
自転車で毎時15kmの速さで$x$時間走ると、進む距離は
$15x$(km)
これは一次式の形です。
時間がわかれば、すぐに距離が出せます。
例2:到着時間の予想(一次方程式)
ある人が、目的地まで45kmあります。毎時15kmで進むとして、出発から何時間で着くか?
$15x=45$
という一次方程式を立てて、$x=3$と求めれば、「3時間で到着」とわかります。
通学やお出かけの予定を立てるときなど、時間や距離の計算はとても大切です。
一次式や一次方程式を使えると、計画が立てやすくなりますね。
社会や仕事の中でも使われている一次式と一次方程式
上記では日常生活で活かせる場面を紹介してきました。
ここからは一次式や一次方程式が、社会で使われている例を紹介していきます。
①:スーパーの価格表示やレジ計算
商品の価格を「1ついくら」と表示するのは、まさに一次式の考え方です。
レジでは買った数量に応じて合計金額を出すので、店員さんの操作やレジの中では一次式が使われています。
②:エンジニアや建築の仕事
一次式も一次方程式も数学なので、理系のお仕事でもちろん活かすことができます。
機械の動きを計算したり、建物の材料費を見積もったりする仕事では、たとえば「長さが$x$メートルの柱がいくつ必要か」といった一次方程式を使って計算します。
③:データ分析や売上の予測
ビジネスの世界では、「販売数が$x$個のとき、売上はどうなるか」などをグラフや式で考えます。
このときにも一次式が登場します。
こうして見ると、「学校でしか使わないもの」と思っていた一次式や一次方程式が、実は社会生活でリアルに使われていることがわかりますね。
数学ができると生活力もアップ
ここまで見てきたように、一次式や一次方程式を使えるようになると、「計画を立てる力」や「ムダを省いて考える力」も身についていきます。
例えば、どれくらいお金があれば足りるか、何時に出発すれば間に合うか、必要な量をどう割り出すかなど、日常生活で直面する「ちょっとした問題」を自分で解決できるようになります。
また、考え方が論理的になり、「わかりやすく説明する力」も養われていきます。
これは将来、どんな仕事をするにしても必要とされる力です。
まとめ
このページでは一次式や一次方程式が日常生活でどのように活かされているかを紹介してきました。
一次式や一次方程式は、教科書の中だけのものではありません。
身の回りのあらゆる場面で使える、いわば「生活の計算道具」です。
最初は「なんでこんなこと勉強するんだろう?」と思うかもしれませんが、学んだことを使って身近な問題を自分で解決できたとき、「数学って役に立つ!」ときっと思えるはずです。
これからも、ぜひ「これって一次式?」「この問題、方程式で解けそう」と、生活の中で探してみてください。
きっと数学が、ぐっと身近に感じられるようになりますよ。
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