中学1年生で学ぶ「正の数・負の数」、そしてそれらの「加法・減法」の計算は、数学の最初の壁だと感じる人も多いかもしれません。
特に負の数については、普段意識することがなければ、どういった場面でこの知識を活かすことができるのかイメージが難しく、負の数の概念の理解や実際の計算方法の理解に時間がかかるケースもあります。
しかし、正負の数の加法・減法の考え方は、実は私たちの毎日の生活の中でとてもよく使われているのです。
そして単に意識が向いていないだけで、気づかないうちに皆さんもすでに政府の加法減法の知識や計算を使っているかもしれません。
このページでは、正の数・負の数の意味と、加法・減法が日常生活の中でどのように役立っているのかを、身近な例を通して紹介していきます。
このページを読む前に、学習内容として正負の数の加法減法を理解していきたいという学生さんは、下記のページで正負の数の加法減法について解説しているので、そちらを参考にしてからこのページを読んでみてください。

正の数・負の数の復習
本題に入る前に、まずは正の数・負の数とは何かをおさらいしておきましょう。
正の数とは「0より大きい数」のことです。
たとえば、+3(プラス3)や+10(プラス10)などがそれに当たります。
一方、負の数とは「0より小さい数」のことで、−2(マイナス2)や−7(マイナス7)などが該当します。
私たちは普段、プラスの符号「+」をつけなくても正の数として扱っていますが、数学では「+」と「−」をしっかり書いて区別することが大切です。
このような数を使うと、0より上や下、増えた量や減った量をはっきりと表すことができるのです。
また、0は正の数でも負の数でもないということも、しっかりと押さえておきましょう。
正の数・負の数が活かされる場面
正の数・負の数の簡単な復習がしたところで、実際に日常生活で正の数と負の数の加法減法の知識や計算が使われている場面を紹介していきます。
①:気温の変化を表すとき
まず最も身近な話では気温の話があります。
気温の話をするとき、「今日は−3℃だったよ」「昨日より5℃上がったね」といった表現を耳にしたことはありませんか?
これは、まさに負の数や加法・減法が使われている例です。
たとえば、ある日の朝の気温が−2℃で、昼には+4℃になったとしましょう。
このとき、「気温はどれだけ上がったか?」を考えるには、$+4−(−2)$という計算をします。
負の数を引くという操作は、実は「正の数を足す」ことと同じなので、この場合は$+4+2=+6$となり、「6℃上がった」とわかります。
このように、気温の変化は正負の数の加減法を使うことで、より正確に、そしてわかりやすく表現することができます。
②:お金の出入りを考えるとき
次の例も身近なお金についての計算の場面です。
お金の管理も、実は正負の数がとてもよく使われる場面です。
たとえば、友達と買い物に行って、500円使ったとします。
お財布から500円が出ていったということは、「−500円」と表すことができます。
逆に、お小遣いを1,000円もらったら、「+1000円」となります。
このように、増えるお金は「プラス」、減るお金は「マイナス」として考えると、日々の出入りを計算しやすくなります。
たとえば、1,000円持っていて、そこから300円の文房具を買い、さらに500円のパンを買ったら、いくら残るでしょうか?
この場合は、$1000−300−500$と計算して「200円残る」とわかります。
マイナスの数を使えば、もし借金していた場合や、所持金がなくなった場合の「−」の表現も可能です。
③:スポーツの得点やゲームのシーンを考えるとき
3つ目はスポーツやゲームのシーンで活かされている例を紹介します。
ゲームやスポーツでも、得点の増減を表すときに正負の数が使われています。
たとえば、サッカーの得失点差を考えてみましょう。
あるチームが「得点が10点、失点が12点」だった場合、得失点差は$10−12=−2$となります。
この−2という値は、「全体として2点分、失点が多い」ことを意味します。
また、テレビゲームなどでも「体力が−30された」「スコアが+50になった」など、数値の増減を確認する場面が多くあります。
こうした増減の計算は、まさに加法・減法の応用なのです。特に連続してスコアが上下する場面では、現在のスコア+(増えた分)−(減った分)といった計算を繰り返すことになります。
④:エレベーターの階数表示に活かされている例
4つ目は普段は意識しづらいですが、建物の階数表示に活かされている例を紹介します。
エレベーターで地下や地上の階数を表すときにも、正負の数の考え方が使われています。
たとえば、地上1階を0階としたとき、地下1階は−1階、地下2階は−2階と表されます。
逆に、2階や3階などは+2、+3と考えることができます。
ここで、もし「地下2階(−2階)から地上3階(+3階)まで上がる」としたら、何階分移動したことになるでしょうか?
これは$+3−(−2)=+5$で、5階分上がったことがわかります。
このように、建物の階数を表したり移動距離を考えるときも、負の数と加法・減法の考え方がとても役立っています。
まとめ
このページでは正負の数の加法減法が日常生活でどのように活かされているのかを紹介してきました。
ここで紹介してきたように、「正の数・負の数の加法・減法」は、気温の変化、お金の管理、スポーツの得点、建物の階数など、私たちの生活のさまざまな場面で役立っています。
これらの数の考え方を身につけることで、生活の中の出来事をより正確に、わかりやすくとらえることができるようになります。
「数学って現実の役に立たないよね…」と思っている人も、今回紹介したような場面を通して、少し考えが変わってくれたら嬉しいです。
これから数学を学ぶときには、ぜひ「この知識はどんな場面で使えるのかな?」と考えながら学んでみてください。
きっと、より深く、楽しく学ぶことができるようになっていきます。
コメント