普段生活をしていると、何気ないところで
「これってどれぐらいの割合で起こることなんだろう?」
「あれが起こる可能性はどれくらいなの?」
と考えることがあると思います。
その最たる例が天気予報です。
今日は雨が降るのだろうか?や何時ぐらいから晴れてくるかもしれない。と考えることが生活の一部になっているかもしれません。
この、何かが起こる可能性を考えていくのが「確率」になります。
改めて確率を勉強していかなくても・・・と考える学生さんもいるかもしれません。
ですが、確率の必要性や考える意味まで考えたことがあるでしょうか?ちなみに筆者は学生の時にここまで深い部分を考えてはいませんでした。
なので、このページでは、これから数学で学んでいく確率について、その必要性や意味について解説していきます。
そもそも「確率」とは何?
早速確率について説明していきますが、本題に入る前に、確率ってそもそも何なのか説明できるでしょうか?
確率とは、分かりやすく説明すると「あることがどれくらいの起こりやすさで起こるか」を表す数のことです。
たとえば、コインを1回投げたときに表が出る確率は$\frac{1}{2}$です。
これは、「2つのうちの1つが起こる可能性がある」ということを意味しています。
確率を学ぶ前に、まず「起こりうる結果」がいくつあるかを考えることが大切です。
これを「場合の数」といいます。
サイコロを1つふったときに出る目は、1〜6の6通りです。
この中で、たとえば「3が出る」確率は$\frac{1}{2}$になります。
このように、すべての結果が同じように起こると考えられるとき、これを「同様に確からしい」といいます。
ここまで考えていくと、確率は1つの数式で表すことができるのに気づくでしょうか?
ある事象が起こる確率を表す式は
$確率=\frac{ある事象が起こる場合の数} {全体数}$
という式で表すことができます。
この考え方を使えば、サイコロやコインだけでなく、もっといろいろな場面でも「どのくらい起こりやすいのか?」を数で比べることができるようになります。
また、確率の定義は今後の数学の学習でも出てくるので、今の段階では上記のような式で表されるんだという認識で問題ありません。
確率はなぜ必要なの?
ここまでで簡単に確率とは何なのか説明してきたところで、本題に入っていきます。
まず1つ目は、確率はなぜ必要なのか?ということです。
「確率なんて使わなくても生活できる」と思うかもしれませんが、結論、実は日常の中で確率はとても大切な役割をはたしています。
たとえば、天気予報では「明日の降水確率は70%」というように、雨が降る可能性を教えてくれます。
これは、「同じような気象条件のとき、過去に70%くらいの割合で雨が降った」というデータから計算されたものです。
このように、確率は「どのように行動するか」の判断のもとになる情報を与えてくれます。
また、病気の予防でも確率は使われています。
ワクチンの効果が「90%の確率で発病を防ぐ」といった表現も、確率を使ってリスクを理解し、予防の重要性を伝えているのです。
さらには、交通事故の発生確率、保険のしくみ、株式市場の予測など、社会のさまざまな場面でも確率が用いられています。
確率は、正確に未来を当てるためのものではなく、「未来の不確かなことについて、よりよい判断をするための道具」として使われているのです。
上記のような例だと学生さんにとっては身近に感じずらいかもしれません。
そんな時はスポーツの場面で考えてみるといいでしょう。
様々なスポーツの中でも確率は活用されています。
- (対戦相手との)勝率
- 3P成功率
- 打率
- ボールの支配率
などスポーツの世界にも確率がたくさん使われていることが分かると思います。
なので、自分がイメージしやすい分野やジャンルではどのように確率は使われているのか考えてみるといいですね。
確率を考えることにどんな意味があるの?
続いて、確率を考える意味についてです。
確率を考えるというと少しイメージがしにくいと思うので、確率を学ぶことに置き換えて考えてと思います。
確率を学ぶことには、次のような3つの意味があります。
- 予測する力をつける
- ものごとを冷静に判断する力をつける
- データを正しく読み取る力がつく
それぞれ順に説明していきます。
予測する力をつける
確率を使うことで、未来に何が起こるかを「なんとなく」ではなく、「数字」で予測できるようになります。
たとえば、「サイコロで6が出る確率は$\frac{1}{6}$だから、10回ふっても1回くらいしか出ないかもしれないな」と予測する力がつきます。
ものごとを冷静に判断する力をつける
人は、どうしても感情や思い込みで判断しがちです。
ですが確率を知っていれば、「この選択はどれくらい成功する可能性があるか」「この方法はどれくらいリスクがあるか」などを冷静に判断できるようになります。
たとえば、くじ引きで「1等が当たる確率$\frac{1}{100}$」と知っていれば、「そんなに簡単に当たらないんだな」と落ち着いて考えられます。
データを正しく読み取る力がつく
テレビやインターネットでは、さまざまなデータが紹介されます。
「感染する確率」や「合格する確率」など、確率の言葉はニュースでもよく使われます。
確率を理解していれば、そういった情報を正しく読みとって、自分で考える力がつくのです。
実は身近にある確率の世界
では最後に、身近には確率がどれくらい溢れているのか紹介していきます。
ここまでの話を聞くと、確率も結局は勉強の1つかと思ってしまい、「難しそう」「テストでしか使わない」と思うかもしれません。
でも前述したとおり実は、私たちの生活のあちこちに確率はひそんでいます。
たとえば
- ガチャやカードゲームでレアアイテムが当たる確率
- お菓子に「○○が当たる!」というキャンペーンの当選確率
- スポーツで「シュートが入る確率」や「ヒットの確率」
- 天気予報の「降水確率」
これらはすべて、「どれくらい起こるのか?」を確率で表している例です。
さらに、学校生活でも確率は登場します。
クラスで「くじ引き」で係を決めるときや、グループ分けをするときなど、公平に決めるために確率的な考え方が使われているのです。
このように、確率を知っていると、ふだんの生活の中でも「なぜこの結果になったのか」「どうすればもっとよくなるのか」と考えるヒントになります。
まとめ
このページでは、「確率とは何か」「なぜ必要なのか」「どんな意味があるのか」について解説してきました。
確率は、未来を完全に予測するものではありませんが、「どうなるか分からないこと」に対して、少しでもよい判断をするための助けになります。
そして、確率は私たちのまわりのあちこちに存在しています。
身近な場面から確率に気づき、それを使ってものごとを考えることができれば、みなさんの考える力は大きく成長していくことでしょう。
確率について中学1年生で改めて学ぶこの内容は、これからの生活の中でもずっと役に立つ、たいせつな考え方の1つです。
しっかり学んで、自分の力にしていきましょう。
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